内容説明
コーヒーショップで働くサムは知的障害のため7歳の知能しかもっていない。そんなサムの宝物は愛娘のルーシー。慣れない子育てに奮闘しつつも、ひたむきに愛を注いでいる。優しい仲間たちにも囲まれ、幸福な日々を送るふたりだったが、ある日、悲劇が襲う。父親の知的年齢を追い越してしまったルーシーが学ぶことを拒否しはじめたのだ。心配した担任教師からソーシャルワーカーが派遣され、ルーシーはサムのもとから連れ出されてしまう。もう一度ルーシーと暮らしたい。父親失格の烙印を押され落ちこむサムだったが、敏腕女性弁護士リタとともに、裁判に出ることを決意する。なぜなら、誰よりも自分がルーシーを愛しているから―。はたしてふたりは幸せな日々を取り戻すことができるのか。せつないほどに無垢な愛、親子の絆に涙する感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多田幾多
6
サムは7歳の知能しか持っていないが、それでも愛娘・ルーシーを愛する気持ちだけは普通の親子以上だ。娘と一緒に暮らしたいと裁判で頑張る姿は、まさに父親。親子の絆は誰にも切れない。そう感じた。2013/04/02
Kuma
3
娘を持つ知的障害者の父が主人公で読んでいて辛くなることがあった。20年以上前に中学での朝読書用に買った記憶。片づけ中に見つけたので読んでから手放す。2024/10/04
ぎゃり粉(ぎゃりこ)
3
おもしろかった。これは映画の小説版。映画は名作らしいのでいつか観ようと思いつつも「暗い話」とも聞いてなんとなく敬遠している。おもしろい本だったが、端的には嫌な話でもあった。アメリカ特有のものなのかはわからないが、システム化された人権というものはどうも受け付けないと思った。しかしその逆のことが原因で起こる問題も多々あることを考えると難しいテーマやな、と。文章が読みやすかったのもあるが、表紙の折り返しに映画の俳優と主要人物の名前が書かれてたのは非常に助かったと思う。絵の持つ情報の強さを実感する。2022/01/14
syachi
3
親子の愛に涙ちょちょぎれますな。ラストもまあ感動ですわ。。2014/02/15
うたまる
3
「わかったよ、好きなときに寝て、好きなときに起きていいからね」……寝ては起こされ、を繰り返すサムが赤ん坊のルーシーに対してかける言葉だが、何と慈愛に満ちた言葉だろう。世の親たち(弁護士のリタや精神科医のデイヴィス医師など)は、赤ちゃんを自分の都合に合わさせる。乳幼児の間くらいは子どもに振り回されればいいじゃないか。親子の間の信頼関係は、言葉じゃなくて行動で築くものだから。あと、映画の脚本だからやむを得ない事なんだが、周囲の人の変化が安直に写る。心理の変化をもっときっちり描いて欲しかった。2012/05/05
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