内容説明
1942年の秋、ナチス占領下のポーランドでは、ユダヤ人の強制連行が始まっていた。クラクフの街に住む11歳のユダヤ人少年ロメックは、愛する両親と別れ、ひとり田舎の村に隠れ住む。ロメックを預かった農夫グニチオにはふたりの息子がおり、兄のヴラデックは当初ロメックを嫌い高圧的な態度を取るが、幼い弟のトロは彼を慕うようになる。別れた両親への思いを胸に秘めながらも、ヴラデックやトロ、両親をなくした大人びた少女マリアとともに、徐々に村の生活にとけ込んでゆくロメック。しかし、ナチスの侵攻は村にまで伸びてきていたのだった…。戦争という厳しい状況下を懸命に生きる子どもたちの姿を描く、感動のストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジェンダー
45
ナチスドイツのユダヤ人狩りの頃の話であるけれどもユダヤ人というだけで収容所に入れられ殺されてしまう。ユダヤ人とバレない為に命懸けで生きないと行けない。主人公も両親と離れ離れにされ知らない街で生きていくしかなかった。当然よそ者というのもあり、当然のようにいじめに会う。生きて行く為とはいえ主人公の両親といつかは収容所にいれられると悟っていた為子供だけはと苦渋の決断であったと思う。もちろんどこの家庭でもとは言えないけれど家族が離れ離れになる程悲しい物はない。そして殺伐としている人間性も変えてしまう。2014/10/08
佳乃
11
読み進めていくうちに、悲しく切ない気持ちが膨れていくばかりだった。けれど、ナチス時代にはそういったことが本当にあったのだろうし、目を背けてはいけないことのように感じる。また、一説では、ヒトラーは自分がユダヤ人だということを隠すためにユダヤ人を虐殺していたのではないかといわれてもいる。2013/08/11
波のうねうね
7
昔、映画を観た。だいたい残虐で観てられなくて早送りにしちゃうんだけど、ぼくの神さまはなんとか最後まで観れた。結構前に観たのにすごく内容を憶えていてびっくりしたし、それだけいい映画だったんだと思う。今回はテキストによって、映画の世界が補足されていくことが、心地よかった。しかし、登場する子供たちの精一杯の行動理念を考えると、目の周りが熱くなって、こみ上げてくるものを抑えられない。2014/04/15
Takako Kanahashi
3
随分前に映画を見ていたことを思い出す。掴まらないか、はらはらしながら見たことを思うと、世界は平和がいいよねシミジミと思う。2014/02/19
秋庭誠
3
【人間に〝端っこ(エッジス)〟はいない】☆9 主人公が無事でほっとはしたけど、トロ…。ポーランド人(占領されたほう)も狂ってしまうのが、戦争の恐ろしいところ。 ちなみに、ユダヤ人かどうかは、作中に出てきた割礼のほか、苗字が自然の名前で見分けていたそうな。かのアインシュタイン(物理学者)(ユダヤ人)の名前も、ドイツ語で1つの石という意味だそうです。アインシュタインについては色々逸話がありますが、ここは止めにしましょうか。2013/02/10