内容説明
かつては、勝利する環境運動は稀であった。運動にかかわる人びとは、自分の気持ちに正直になるよりも、新聞やテレビなどのメディアにいかにとりあげられ、その力を使っていかに有利に戦術的に展開するかということを考えなければならなかった。報道だけ見ていては、環境保護運動がいったい何を求めているのか、必ずしもよくわからないこともあったと思う。しかし、確実に時代は変わっている。いまこそ、わたしたちは何を求めているのか、わたしたちにとって環境の豊かさとは何か、わたしたちはいかに自然とかかわっていくべきなのか、そのようなことを真剣に問い、それを実現していくことが、ますます必要になってくるのではないだろうか。その一方で、わたしたちの日常的な暮らしは、食の問題を典型として、ますます、国際的な環境問題とかかわらざるをえないところにきている。グローバルに生きるということは、どういうことであろうか。「いま、ここ」のローカルな場面での、自然との、あるいは他の人たちとの関係のあり方を問いつつ、いま再び、グローバルとローカルの関係について考えていかなければならない。
目次
第1部 理念(自然を保護することと人間を保護すること―「保全」と「保存」の四つの領域;環境思想と行動原理―「グローバル」と「ローカル」;ホーリスティックな世界観と民主的・市民的価値―ディープ・エコロジーとバイオリージョナリズムをめぐって)
第2部 運動(どんな自然を守るのか―山と海との自然保護;この海をなぜ守るか―織田が浜運動を支えた人びと;アマミノクロウサギの「権利」という逆説―守られるべき「自然」とは何だろうか ほか)
第3部 市民(環境破壊に抗する市民たち―「池子の森」を守る運動をつうじて;地球環境政治への市民的対応―温暖化防止京都会議と日本の環境NGO;市民による環境教育―そこにおける反省の意味)
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