内容説明
ヒトと人はどう違うのか。人間と言ったり人類と言ったりするのはなぜか。そもそも私たちは何ものか。諸学問が挑む難問に自然人類学は生物の一種としてのヒトという視点でアプローチする。人類最大の難問を教養として学ぶためのテキスト。
目次
序章 自然人類学とはどのような学問か
第1部 ヒトの進化史(自然におけるヒトの位置―どこから来て、どこへ行くのか;類人猿と人類の進化―彼らと私たちの歴史について分かっていること;日本人の系譜―日本列島に住むヒトの成り立ち)
第2部 食と人類進化(食性と歯の形態―歯の形が語る多くのこと;採食技術―食べる工夫が進化を促す;狩猟と肉食―ヒト以前の肉食が人類進化にもたらしたもの)
第3部 繁殖と社会(出産―直立二足歩行と大きな脳が招いた進化の難局;生活史―ヒトの「生き方」を相対化する;サルの社会とヒトの社会―何が個体同士の関係性を形作るのか;攻撃性と殺し―暴力はヒトの「本性」なのか)
第4部 ヒトをヒトたらしめるものは何か(直立二足歩行―ヒトの生物学的本質;知性―ヒトはなぜ賢くなったのか;言語―そもそも言語とは何か;文化―ハードルを下げて文化を眺める)
著者等紹介
中村美知夫[ナカムラミチオ]
京都大学大学院理学研究科准教授。博士(理学)。専門は人類学
森本直記[モリモトナオキ]
京都大学大学院理学研究科准教授。博士(理学)。専門は自然人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
1
ヒト族もしくはホミニン 複雑な脳や社会など現生他種との比較が欠かせない 恒温性は哺乳類の特徴 異形歯性が進化した チンパンジーやボノボの系統と分かれ直立二足歩行を始めた後の系統 定住社会を迎えたことで生活の質は低下した側面 化石記録として残りやすい 採食技術の革新は食物レパートリーの拡大と採食の効率化をもたらす チンパンジーはヒトに次ぐ高い頻度で肉を食べます ヒトの出産が他の霊長類と比較して困難である ボノボは唯一雌が優位な傾向を持つ 二足歩行のメリットの一つは繁殖である 社会的に学習されるもの2025/05/05