内容説明
いまの新潟の多様な問題、これまでの新潟に関わるより広い世界、そして現在と過去の新潟のくらしを捉えなおす。
目次
第1部 新潟の“いま”(地域を創るとは―土田杏村の自由大学と「つばめの学校」;トキの野生復帰を通して考える自然と共生する社会;原発を争点とした住民投票運動とその記憶の継承;新潟を醸す日本酒文化)
第2部 新潟の“歩み”(玉と鉄器からみた新潟の弥生文化;モノが語る日本海交流;中世に越後・佐渡を訪れる;東へ西へ、南へ北へ―水陸の道の交点がもたらした繁栄;新潟から満州、内モンゴルを旅する―薄益三・守次のたどった道)
第3部 新潟の“暮らし”(雪と暮らし;町屋の暮らしと祭り;越後・佐渡の芸能―新潟の鬼の踊り;定期市からみる新潟の地域性;新潟の戦争経験―長岡空襲に即して)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(k・o・n)b
4
今回初めて新潟に行く機会があり、前から気になっていたシリーズなので読んでみた。興味深かったのは長岡空襲の記録作りの話。記録を集めた元市議には「北越戦争の時に民衆が相当犠牲になった筈なのに記録がない」という問題意識があったらしい。司馬遼太郎『峠』を読んでから北越戦争がどう地元で認識されているのか気になっていたが、今の市役所の近くにも「2度の」戦災や震災から復興したことをシビックプライドとするようなポスターがあり、一端を窺えたように思う。後は吾妻鏡に登場する女真文字の話も面白かった。千年越しの疑問解決とは…。2021/12/25