内容説明
表紙の子どもの絵にみるように、ユーコートの子どもたちは、花や緑、土や水などの環境と共生する集合住宅で育った。入居後四半世紀たって、第二世代の里がえりがおこり、老若多世代が混ざりあう、持続するサスティナブル・コミュニティづくりへ。「コミュニティ」とは「みんななかよし」という意味ではなく、たゆまずおこる問題を「どうやったら解きほぐせるか」「何のために何を求めて進むんや」というホンネトークができる、人と人のつながりのこと。震災復興に向けてのふるさと再生有縁コミュニティ住宅の例として、各地のマンション居住・集住のすこやかさに向けて、ここには共に住む希望のメッセージが充満している。
目次
1 はじまりの物語(なぜユーコートだったのか―「住宅すごろく」からの決別;マンションをふるさとに―夢を現実に~ユーコートができるまで;住み手にとっての「はじまりの物語」)
2 住みはじめてからの物語(等身大のユーコート暮らし;子どもの生活からみたコミュニティ―日常と非日常にわたる子育て環境;子育て「と」地域コミュニティのつながり;住み手が育む住戸近傍空間・共用空間;一二年にわたる危機との闘い―住宅転売問題から学んだ教訓)
3 いまの物語(「扉の外も私たちのすまい」を心にとめて―第一世代が語るいま;ここで育って想うこと―第二世代が語るいま;二〇年経ったいま、ユーコートの青年たち;新しい物語のはじまり―ユーコート物語のこれから;心安らぐふるさとをつくろう)
4 ユーコートを読みなおす(住み手が変容する「参加の計画」プロセス;ユーコートを成立させた専門家のあり方;共同環境の管理と集住生活の運営)
5 これからの物語(ユーコートに学ぶこれからのマンション共同運営;これからの集合住宅育て)
著者等紹介
乾亨[イヌイコウ]
立命館大学産業社会学部教授
延藤安弘[エンドウヤスヒロ]
愛知産業大学大学院造形学研究科教授、NPO法人まちの縁側育くみ隊代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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