内容説明
さまざまな観点から「生命」の問題を掘り起こす論考を、日本の哲学や思想に関心をお持ちの方々に執筆してもらった。
目次
巻頭エッセー 哲学の根源的問題としての生命―西田幾多郎の「社会的歴史的生命」論にふれて
特集 生命(生命論的差異の重さ;主体と環境の生命論―西田幾多郎と今西錦司;生命観の近代―進化論受容を中心に;内的純粋経験からのドラマの創出;死から考える生命;田辺元の「種の論理」と西田哲学)
特別寄稿 日本の哲学の場所―欧米から見た
書評 James W.Heisig Philosophers of Nothingness.An Essay on the Kyoto School
感想・レビュー
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うえ
8
「スペンサーの翻訳、松島剛『社会平権論』は道義感情をもとに共和政治を説くもので、「自由民権運動の教科書」(板垣退助)と称された。進化の目的と人類の直接の目的を区別して、人類ノ幸福ハ天意ナリト云フ天下ノ道理を主張、ベンサムの功利的立法思想を批判するもので、天意はDivneWill、天下ノ道理はTheAdmittedTruthの訳語である。まさに天賦人権論にほかならない。しかし、同じスペンサーの社会学原理は…個人間の競争によって優秀な者が残ってゆけば、社会が漸進的に進化を遂げ…世界共和体へと向かうと主張する」2020/05/08