内容説明
新プラトン主義の影響は、哲学の歴史の中に埋もれている鉱脈のように思える。われわれの眼の前に姿を現しているのは、おそらくそのほんの一部にすぎないであろう。このたとえが正しいなら、新プラトン主義が及ぼした影響の全容を完全に解明することは不可能であることになろうが、しかし、それが明らかになればなるほど、われわれの哲学史理解が深まることは間違いない。『ネオプラトニカ』と題した研究の二巻目となる本書が目指しているのも、そのような豊富な鉱脈の採掘である。
目次
第1部 新プラトン主義の原型(発出と創造―プロティノス、トマス、アリストテレス;時間の問題―アリストテレスとプロティノス;プロティノスの始原論;プロティノスにおける自由;プロティノスにおける用語の変化について―「直知」から「非直知」へ;後期新プラトン派の時間論(1)―偽アルキュタスからイアンブリコスへ
イアンブリコスの光の思想について)
第2部 新プラトン主義の水脈(ヘルメス主義、グノーシス主義、プラトン主義;『マリウス・ウィクトリヌスのカンディドゥス宛書簡』の研究―序論、和訳、注解(2)
新プラトン主義とトマス哲学の比較研究―トマス・アクィナスにおける神の意志の必然性と自由
エックハルトにおけるcausa essentialis論の受容とその変容
プロティノスとベルクソン)
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