内容説明
その子もかなしい草なのだろう。どこか遠くの古い本の中の染みのような街に、きっともう一人の「私」がいる。キリン堂薬局や細謹舎という本屋の前で、雨のように煙る夕日に濡れて立っていた「私」のことを、私はけっして忘れない。
目次
ここよりほかでも
六月のサーカス
水無月の魚
雨期
木の話
草
共同井戸
走る人
咳
四月の家(故・森口武男氏に)〔ほか〕
著者等紹介
木村恭子[キムラキョウコ]
1945年岡山市に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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