内容説明
この詩集は「追憶」という手段を使い、時間を過去へと溯るという水平的な旅をしたものである。喪神の時代を生きることを余儀なくされている現代人にとって「生きてゆく」とは何かという、存在論的文脈を追い、「共時的交響詩」という詩的形式を推し進めた。オルフェウス物語を下敷きに、個人的な想像と書物から湧きあがるイメージを交錯させながら、ひとつの物語詩を構成している。
目次
1 夢の水脈
2 時の顎で
3 声曼陀羅
4 焔の形象
5 遠い声
6 無明の海
7 青い衣裳をまとって
8 遠雷
9 深い滄溟のうえで
10 二重の相のもとに