内容説明
本書の研究動機、さらには本書の主要な出版動機も、現代の経済社会における「人間性喪失」の時代にあって、経済学の本質的課題について、思想史的視角から再検討を試みようというところにある。著者は、少なくとも、社会科学の中核体系としての経済学は、こうした課題へ迫る学問的方法論を提示する責務があると考えている。本書は、『マーシャル体系の成立―マーシャルとドイツ経済学』という表題の下に、経済学の危機の時代における新しい経済学のあり方について、ささやかな一つの試論を提起しようとするものである。
目次
第1部 マーシャル体系の基礎構造(マーシャル研究の基礎視角;マーシャル経済思想における人間像;マーシャル経済学における歴史的方法論;マーシャル企業理論の構造 ほか)
第2部 マーシャルとドイツ経済学―マーシャルとリスト(マーシャルとドイツ経済学;リスト経済思想体系の基礎構造;リストのアメリカ経済思想評注;W.O.ヘンダーソンのF.リスト論 ほか)