内容説明
科学ないし学問は、社会的、政治的責任をもつか否か?―これが、「批判的合理主義」と「批判理論」との間でたたかわされたいわゆる実証主義論争の争点であった。本書は、「批判的合理主義」の立場から、このすぐれてラディカルな問題に、独自の解答を与えようとする方法論的試みであると同時に、より広範な人々に向けて、現在の社会科学方法論研究の水準を、この上なくわかり易い表現と豊富な素材を用いて提示しようとする意欲的労作である。
目次
1 批判的合理主義のプログラム
2 科学的学問分野の独自性の問題について
3 言語と実在―概念
4 言語と実在―言明
5 理論概念―理論の検証と実証
6 理論の応用―説明、予想、テクノロジー
7 社会諸科学における評価と価値判断