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内容説明
世界では争いが絶えず、戦争や平和に向き合わざるを得ない状況になっています。それはあたかも、「戦争がわたしたちを見つめている」かのようです。この本には、戦争を見つめた作家たちの作品がおさめられています。勇気を持って戦争を見つめ返し、ページをめくっていきましょう。
著者等紹介
宮川健郎[ミヤカワタケオ]
1955年東京都生まれ。児童文学研究者。立教大学文学部日本文学科卒。同大学院修了。宮城教育大学助教授等を経て、武蔵野大学名誉教授。一般財団法人 大阪国際児童文学振興財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
91
児童書。戦争文学アンソロジー。全ふりがな、語句注釈あり▽[夜:三木卓]満州の兄弟[わたしが一番きれいだったとき:茨木のり子]詩[春さきのひょう:杉みき子]看護婦だった祖母の記憶[そして、トンキーも死んだ:たなべまもる]犠牲になった動物たち[大もりいっちょう:長崎源之助]絵にかいた白飯[ブッとなる閣へひり大臣:古田足日]ヘリンピック[烏の北斗七星:宮沢賢治]動物寓話[赤牛:古井由吉]東京大空襲▽戦争文学全集も古くなり手に取られないので、新しいアンソロはとても良い。カバーイラスト:今日マチ子。2025.1刊2025/06/24
ままこ
61
戦争文学セレクション1巻目。〈時の流れの中で眼をこらしている〉少年、少女たちの8篇。ラストが印象的な三木卓「夜」満洲国で暮らしていたがソ連が日本に宣戦布告してきて…。茨木のり子「わたしが一番きれいだったとき」詩から情景が浮かび上がる。杉みき子「春さきののひょう」戦時中若い看護婦だった母親の話は温かな読後感。たなべまもる「そして、トンキーもしんだ」何回読んでも辛くて泣いてしまう。宮沢賢治「烏の北斗七星」戦うことの虚しさがひしひしと伝わってくる。古井由吉「赤牛」赤牛の踊りは恐怖の象徴。あの一文が胸に残る。2025/07/25
たまきら
49
戦争が日常となった時、それを滑稽に切り取れる人がいる。「ブッとなる閣へひり大臣」には脱力しましたよ、ええ。可愛がってもらっていた画家の林田重正先生は、「きらちゃん戦争はいけませんよ…私は戦争が決まった日は銀座の資生堂に行って甘いものをたくさん食べました」とか「空襲は恐ろしいです…焼夷弾を分解し中の燃料でお風呂をたくといつまでも温かくてねえ…」とか、どこかほのぼのとした日常を切り取ってくれたものでした。「わたしが一番きれいだったとき」は子どもの頃読んでドキッとしたのを覚えています。2025/07/20
はる
46
その時代を実際に過ごした人にしか描けない空気感がある。子供の純粋な視線から見た戦争の真実。日常の生活に、当たり前のように死が迫りくる恐怖。翻弄される大人たちの姿が生々しい。重苦しい世界の中、優しいラストにほっこりするのが、杉みき子さんの「春さきのひょう」。やはり杉みき子さん、好きだ。2025/05/15
ヒラP@ehon.gohon
23
戦争文学というには少しちがう感覚で集められた掌編集のようです。 作家の個性と観点がそれぞれ個性的なので、全体として考えるのは難しいですが、知らない話が多いだけに発見はありました。 体験者にはそれぞれの戦争があるのですね。2025/07/05
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