内容説明
二〇二〇年の四月、理夢は小学六年生になった。でも、理夢の毎日は、普通じゃないことばかりだ。まず、コロナで学校が休校になった。勉強もできない。友達に会えない。家から出られない。そのうえ家では、寝たきりのおばあちゃんの世話を理夢がひとりでしているのだ。理夢の普通じゃない毎日は、いつまで続くのだろうか…。小学校六年生で祖母の介護をする「ヤングケアラー」の少女の心を描く。
著者等紹介
中島信子[ナカジマノブコ]
1947年長野県生まれ。児童文学作家。東洋大学短期大学在学中より詩人・山本和夫に師事。出版社勤務などを経て創作活動に入る。2019年、20年ぶりに発表した長編『八月のひかり』が読者からの熱い支持を集め、ベストセラーとなった。2020年には、子どもとジェンダーの問題を描いた『太郎の窓』を発表。常に子どもの心に寄り添った作品を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Comit
46
市立図書~『ねえ、大人って何だろう。世界中の大人が子供の人生をしっかり考えているのかなあ。いない。考えているとは思えない』小学校六年生で祖母の介護をする「ヤングケアラー」の少女の心を描く(帯より)~『2021年3月の調査では、中学2年生の17人に1人が必死に家庭を支えている。幼い弟や妹の育児、病気の父や母の看病、そして祖父母の介護。小学生で若年性認知症の父を見守り続ける子もいる。(巻末より)~見て見ないふりをしている現実が、すぐそこにあります。この本…児童書です。娘(小6) が読んだら、どう思うだろう。2022/05/03
マツユキ
17
『八月のひかり』で覚えた作家さん。今回は、ヤングケアラーがテーマで、主人公は小6の女の子理夢。同居を始めた祖母が認知症になり、家族がバラバラに。そして、コロナで学校が休みに…。理夢の負担が大きすぎる。我儘な母が悪いだけど、その性格を知っておきながら、祖母との同居を決めた父の優しさも、たちが悪いです。妻には無理で、娘にさせるって何だよ。父親譲りの優しい理夢が安心できるよう、両親には真剣に考えてほしいけれど、それは大人一人一人の課題でもある。物語の楽しさは別にして、コロナも含めて意義ある作品でした。2024/09/27
雪丸 風人
13
幸せな家族の生活が行き場のない祖母を引き取ったことから狂い始めます。主人公は高学年の少女。認知症による暴言の嵐に耐えられず、母と姉が出ていき、父も仕事で不在気味な環境で、彼女が自分で自分を励ましながら介護につとめるというストーリーです。大丈夫でなくても母に大丈夫と告げる主人公が切なすぎますね。排泄介助に絶望する場面も衝撃でした。悪いとわかっていても祖母へのあたりがきつくなる心境にも共感しきり。物語に心をえぐられながら、大人がどうあるべきか十分すぎるほどに考えさせられました。(対象年齢は13歳以上かな?)2023/05/06
頼ちゃん
6
ちゃんと言わなくちゃダメ。我慢しちゃダメ。世の中にはこういう子供がたくさんいるんだろう。どうにかしなくては。理夢が「世界にはわたしより小さい子が働いている国があるのを知っているよ・・・。でも・・・」というところがその通りだと思った。2022/05/22
りょう
4
子どもにこんな思いをさせてはいけないとつくづく思う。2023/10/02
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