内容説明
ジェドおじさんには、いつか必ず自分の店を持つという夢があった。店には、ぴかぴかのいすに、本物のとこやのいすがある。外には大きなサインポール。ジェドおじさんはどんな逆風が吹いても、けっして夢をあきらめなかった。「いつかきっと、サラ・ジーンを自分の店のいすに乗せて、くるくるまわしてやるんだ!」
著者等紹介
キング・ミッチェル,マーガリー[キングミッチェル,マーガリー] [King Mitchell,Margaree]
テレビの脚本や劇を書いていたが、ボランティアで訪れた息子の幼稚園に本がないことに衝撃を受け、祖父の住んでいたミシシッピー州のいなかを舞台にした『ジェドおじさんはとこやさん』を書いた
ランサム,ジェームズ[ランサム,ジェームズ] [Ransome,James E.]
ニューヨーク州在住の画家。『ジェドおじさんはとこやさん』で、コレッタ・スコット・キング賞のオナー作品賞を受賞している
渋谷弘子[シブヤヒロコ]
27年間、県立高校で英語を教えたのち、通信教育で翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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天の川
29
20世紀前半のアメリカ南部は黒人差別が公然と容認されている社会。自分の店を持つことが夢のジェドおじさんは、開店資金を貯めるために家々を回り、皆の髪を切る。「私」の手術費用のために開店資金を用立て、世界恐慌で資金を失い…困難を乗り越え、おじさんの夢が叶ったのは79歳の誕生日。晴れ晴れとした笑顔と共にある“あきらめなければ夢は叶う”という強いメッセージ。また、当時の差別の実態を声高に訴えるのではなく、「私」に対する病院の対応を描くことで、より実感を伴って訴えかけていたように思えました。絵も温かいです。2014/10/29
たまきら
24
艱難辛苦を乗り越え、夢を達成させるおじさん。その姿が淡々と、けれど愛情をこめてつづられています。女の子が髪を切らせてもらえない部分で、アフリカ系アメリカ人の友人達が私の髪をいじっては「すぐのびていいね…私らの髪は一回切ったらのびるまで大変なのよ」と言ってたことをふと思い出しました。三つ編みがほどけなくていいなあ、とこっちはうらやましがったっけなあ。オタマさんは理解できないながらも世界恐慌に興味を持っていました。2018/05/01
みーなんきー
20
黒人がまだひどく差別されていた時代に、床屋を開く夢を持ち続けた叔父さんを描いたお話。健気で真摯で、人間の大切なものを教えてくれる本だと感じました。図書館でこれ読みながら、涙が出そうになりました。人間愛って素晴らしい!2018/04/29
7petit
10
なんだか一本の映画を観終えた感覚に近いです...充実感。みんなに愛されたジェドおじさん。このシリーズはいい絵本ばかりですね。2014/04/16
ケニオミ
8
ジェドおじさんの夢は床屋になること。「えっ!そんなこと!?」と言わないでね。ずいぶん前のことだし、ジェドおじさんは黒人だから、就くことがきる職業が限られていたんだよ。床屋になるためのお金を貯めることが難しかったんだね。それにおじさんは中々お金を貯められなかったんだ。なぜって? 表紙にも出ているサラが病気の時に手術代を払ってあげたり、せっかくためたお金が銀行の倒産でなくなってしまったりしたからだよ。でも夢をあきらめなかったので、79歳にもなっていたんだけど、床屋になれたんだ。あきらめないことが大事なんだね。2014/05/31
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