感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
154
人は極限で錯乱する。自らの心を守るために。大切な人を目の前で失うことがどれほど理不尽で残酷か。一緒に遊んだときの笑顔を忘れたくないのに、思い浮かべては涙してしまう。奇跡的に生き延びた者も苦しむ。すべて粉々にされ、どうしたらいいというのか。米一粒を大切にしなさい、その教えを実感する。発売当時から反響のすごかった話は紆余曲折ありながら現在にも伝えられている。大人になって気づく。はだしのゲンは戦争の話ではなく戦争が終わった後を記したものだと。平和を知るには過ちを知るしかない。皆被害者なのに争いが生まれてしまう。2023/12/02
八百
26
第2巻は原爆投下直後の広島の阿鼻叫喚が描かれる。爆風で飛ばされる者、熱線に溶かされる者、そしてなによりも恐ろしいのは命拾いした者や他所から救援に来た者たちが後に原爆症と安易に名付けられる原因不明の症状で次々と命を落として行くことだ。ここで中沢さんが容赦なく叩きつけるのは日本人が米国の開発した新兵器の効果を試すために人体実験をされたということ。恨み云々はともかくとしてこの事実だけは忘れてはならない。ぺしゃんこに踏み潰されたゲン、麦の穂のように立ち上がることが出来るのだろうか2016/07/20
あむ
19
生きるも地獄死ぬも地獄2014/02/21
たらちゃん
15
戦争に向かう社会も、傷つく市井の人々も、理不尽なことに満ちているほんの少し前の日本の姿は、ハラワタを他人の手でかき混ぜられているような不快感でいっぱい。そんな中、ゲンが何度でも立ち上がれるよう祈りながら読む。2018/10/08
コウメ
12
原子爆弾恐ろしい地獄2019/03/20