内容説明
利益を減少させずに税金って減らせるの?「粉飾」と「脱税」という2つの観点から会計処理を論じた初の書籍!カネボウ、ライブドア、ソフトバンク、ヤフー、東芝、IBMなどの有名事件。その会計処理の全貌をわかりやすく解説。
目次
第1章 日本を取り巻く会計と税務の潮流(「粉飾」や「脱税」にはグラデーションがある;会計の国際的潮流―IFRS ほか)
第2章 「粉飾」総論(不適切会計→不正会計→粉飾決算;内部統制は「粉飾」の防波堤になっているのか ほか)
第3章 「脱税」総論(節税→租税回避→脱税;公正処理基準における“公正”って何? ほか)
第4章 事例で見ていく「粉飾」と「脱税」の手口(循環取引は悪質;リース取引による不正は貸し手側で起こる ほか)
第5章 「粉飾」と「脱税」を抑制するには(会社を4つに分類する;動機の強弱ツーバイフォー ほか)
著者等紹介
尾中直也[オナカナオヤ]
公認会計士/税理士。尾中直也公認会計士事務所所長。慶應義塾大学経済学部卒。一般事業会社、大手監査法人、大手税理士法人、事業再生コンサル会社を経て2010年に独立開業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奈良 楓
13
【良かった】● エシカル≒倫理的。翻って脱税と粉飾の本。 ● 良書と思いますが、一定の経理知識がないと難しい。脱税スキームは丁寧な解説にもかかわらず半分くらい仕組みが理解できませんでした。 ● 一方で、これだけ複雑なスキームを組み立てるリソースを本業へ向けないのはなんだかな、と思います。 ● 過去新聞にも載ったような粉飾・脱税が解説されているので勉強になりますが、当然そのうちのいくつかは現在では無効な手となっています。 2023/04/20
セバスチャン
1
本書では実際にあった「粉飾」と「脱税」の事例を、仕訳やスキームの図などを用いながら詳しく解説されています。 そして、なぜ経営者がこのような不正をしてしまうのか、どう防ぐべきなのかというのを、エシカルな観点から解き明かしていきます。 しかし、前提として会計の知識が少しも無いと、読むのが途中で苦しくなるかも? 会計士受験生などにはおすすめかもしれません。2020/04/12
ゆうき
1
・会社法において繰延税金資産は配当制限の定めがなく、回収可能性の判断を誤ると違法配当となる。 ・将来課税所得を見積もる際は取締役会等の適切な権限を有する機関の承認を得た中期経営計画などの業績予測を前提とする必要あり。 ・国税局査察部が扱う事案は3年間の脱税額が1億円超かつ悪質なもの。査察部が調査し、検察庁に告発し、検察庁に告発されて裁判になり有罪になったものが狭義の「脱税」 ・会計処理が必ずしも公正処理基準に適う訳ではない。 ・CFOの役割は「ROEを向上させること」 ・ROE=R/S×S/A×A/E2020/01/30