内容説明
世界の文字に魅せられてめぐった百十余の国々。文字のコレクターとして研究家として名高い中西亮の世界文字紀行。文字にまつわるエピソードの数々が、楽しく語られる。
目次
昆明の双白塔
毛筆文字の系譜
珍らしい絵文字
生き残るチャクマ文字
ショート笑都
“珍字”探して世界と対話
北朝鮮古文化財の現状
ガラパゴス紀行
アルメニアの古文書を手に入れた話
京のみやび比の山奥に
グジャラートの新聞印刷
幻の都ティンブクツー〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoneyama
9
売れそうもない登山関連の名著を次々に出版してくれた京大前のナカニシヤの社長が著者だとは、30年近く経って再読して今日初めて気づいた。同じく世界の文字の学習に魅せられている者として、趣味を極めた共感の本。中でも17世紀アルメニア文字の手書き写本をNYで見つけて、一度諦めたけど奥様に推されて買う話は、ロシア語の黒田龍之助氏もどこかに書いていて、記憶に残っていた良い話。90年代前半の頃ってこんな時代だったかも。専門の印刷業と趣味の古文書収集の世界旅行って、とても知的で、真の教養人てこういう人だろうな、と思う。2022/09/04