内容説明
1976年夏、ゲイリー・ギルモアは2人の男から金を奪った。そして、彼らを冷血にも射殺した。これらの殺人によりギルモアは死刑囚となった―だが彼は自分に与えられた判決を無期に減刑させることは十分に期待できた。当時アメリカでは10年以上の刑に服することはなかったし、死刑執行も行われていなかったのである。しかし、ゲイリー・ギルモアは死を求めた。死の判決を権利とする彼は、州(国家)などと争いを起こし、世界で最も有名な殺人者となった。また、ギルモアの死刑執行は最も恐ろしいメディア・イベントとなったのである。『死刑執行人の歌』は希望のない犯罪者であるギルモアへの強い興味をそそる物語であり、また恋人ニコールの真実の人生ストーリーはまるで小説のようである。ピューリッツアー賞、ベストセラー・ノンフィクション
目次
第2編 東側の声(良きボーズ王の治世に;独占権;ハンガー・ストライキ;休暇の季節;圧迫;光の中へ;心の衰退)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
136
ピューリッツァー賞作品。読後、徐々に作者が訴えようとしたことがのしかかってくるようだ。14歳から人生の大半を刑務所で過ごした男。やっとの仮出所でほどなく犯した殺人。死刑判決後、速やかな執行を望むも死刑反対・廃止の流れはそれを阻む。何度も延期される執行。死刑囚となったことでの特異な存在感。彼に関わることへの特別感。彼をお金にしようとするマスコミ。彼の死後の解剖の様子、彼の恋人に提示されたヌード写真の報酬。本人の罪を横にやって、群がる人たち。その様子を、その一員となるまいとして仕上げた作者に感服。2019/03/21
ブラックジャケット
3
50年代末の「冷血」から、70年代のゲイリー・ギルモアへ、大きく変わったのがマスコミであろう。新聞・雑誌・テレビメディアの大競争時代の中、死刑を実行しろ、というゲイリーの主張は、死刑廃止へ動くリベラル派の風潮に真っ向逆らう。ベトナム戦争・ウォーターゲート事件後の政府を圧倒するアメリカのメディアは、ゲイリーという素材を得て、狂騒のありさまとなる。その奔流の中で、ゲイリーとニコールの愛が本編を貫く通奏低音となる。不動の輝きの純愛ととるか、セックス解放時代のあだ花か、巨編を閉じてもなお胸騒ぎは消えない。 2018/01/28
tai65
2
星4つ2017/02/19
あさがお
1
量的にも内容的にも読むのしんどかったなぁ。時間が掛かった~2012/07/18
れいぽ
1
人によっては読みにくい文かもしれないが、「真実」がひたひたとせまってきて息苦しささえある。
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- 和書
- 物価指数年報 平成4年