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出版社内容情報
遊女から市井の娘まで、歌麿が美人を描けば天下一品。絵師としてスターダムにのぼり詰め、出版界に寛政の改革の矛先が向けられるなかで、蔦屋重三郎をはじめとした版元と策をめぐらし、生み出された名品の数々。湧き上がる創作の源泉とは。世界を驚かせた魅力とは。その謎に迫る!
目次
序章 浮世絵師・歌麿の誕生まで
第1章 新興版元 蔦屋との出会い(歌麿の変貌;彩色摺絵入狂歌本の世界)
第2章 美人画革命 大首絵の成功(美人大首絵と寛政三美人;青楼の画家 歌麿)
第3章 蔦屋を追う出版界の動向(蔦屋に対抗する版元たち;日常を活写する眼 蔦屋亡き後の歌麿)
第4章 禁制下の動向(歌麿と寛政の改革;肉筆画の世界)
特集 生涯をかけた大作 雪月花
著者等紹介
田辺昌子[タナベマサコ]
東京都生まれ。学習院大学人文科学研究科博士前期課程修了。永青文庫学芸員を経て千葉市美術館の開設に準備室段階から関わり、現在副館長。鈴木春信を中心に浮世絵の研究に携わる。2008年『鳥居清長』展図録で第一回國華賞展覧会図録賞(共同受賞)、2018年第三十四回國華賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
70
このシリーズはとてもいいな👍私の様な素人には持ってこいだ。来年大河の予習で歌麿作品をちと勉強(^^♪美人画は彼の代名詞となっているが、私は女の纏う着物の質感とかその模様の美しさが好き。市囲の人の日常を描いた作品にはユーモアがあり、歌麿の眼差しの温かさを感じる。そして何と言っても生涯をかけた「雪月花」の肉筆画。鮮やかな色彩とコントラストの美しさ。加えて調度品や木の葉の細部に至るまで緻密に描きこまれた作品の見事さ。とにかく圧倒されて溜息しか出ない…2024/08/13
なお
40
図書館の新着本。藤沢周平の浮世絵を題材にした小説を読んだ事もあり、多くの歌麿の浮世絵や肉筆画の掲載が嬉しかった。歌麿の作品が大きく左右したのは2つの事があるという。ひとつは蔦屋重三郎との出会い。年齢も近かった二人はタッグを組み、歌麿は才能を開花させていく。蔦屋が吉原につうじていたことは吉原芸者の表裏を描く歌麿の強みともなった。もうひとつは「寛政の改革」の錦絵出版界への厳しい統制である。画料の高い肉筆画を描くきっかけにもなるのだが、大衆相手の錦絵も最後まで描き続けた事には浮世絵師としての矜持が感じられた。 2024/06/21
なおこっか
4
歌麿に関して今まで興味の外だったこともあり、ざっと概要を知るにはもってこいの本だった。絵は残っているけれど、生い立ちや行く末も不明点が多いのか。蔦重亡き後、母子像を多く描き、且つ有名人でも何でもない市井の母子絵を購入する層がいた、というのは面白い。既に歌麿自身のネームバリューで売れるようになっていたのかもしれないが。精緻で高い技術、写楽とはやはり違う。歌麿の絵は、刷る側の技術も問われる絵。『深川の雪』、岡田美術館で見たのだが…もっとちゃんと見ておけばよかったな。2025/02/28
遠い日
4
「アート・ビギナーズ・コレクション」シリーズ。喜多川歌麿といえば美人画としか浮かばないくらいの素人ですが、楽しく拝見しました。青楼(吉原遊廓)の遊女たちの背負ったものもそこはかとなく感じられる。華やかさと儚さと強かさと。2024/05/28
takakomama
4
有名な浮世絵師にもかかわらず、没年以外は確実な情報が無いそうです。喜多川歌麿といえば、美人画が思い浮かびます。母子が主題の作品も多いそうです。 2024/05/17