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目次
五葉の装飾世界
第1部 生涯と主な作品
第2部 装飾美術の探求(絵葉書;五葉百花譜;スケッチブック;書籍;画稿・下絵)
著者等紹介
西山純子[ニシヤマジュンコ]
千葉市美術館学芸員。専門は日本近代の版画。1997年より五回にわたり、明治期末から戦後にかけての日本版画を総覧するシリーズ展「日本の版画」を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロミ
54
橋口五葉と言えば「髪梳ける女」の絵が有名だが、こんなに装丁家として活躍していたとは意外だった。夏目漱石の「猫」に始まりその他いくつかの漱石作品や泉鏡花の装丁など。洋画から日本画、植物スケッチや女絵までさまざまな五葉が濃縮されており楽しめる本。39歳で没したのがつくづくと惜しまれる。しかし大半が五葉の出身地鹿児島美術館所蔵でびっくりした。私は鹿児島だけど見たことないような…五葉展やってほしい。2016/12/06
Mijas
52
『吾輩ハ猫デアル』(明治38年発行)の表紙に描かれた「猫人間」で知った五葉だが、漱石の他に鏡花、鷗外、武者小路、与謝野晶子など多くの装丁を手がけている。作家や内容によって雰囲気を変えているので、本好きには魅力的な画集。ウィリアム・モリスやリバティの図柄のような、五葉のデザインは好み。草花の水彩画も掲載されているが、自ら種を蒔いて草花を慈しむ人柄が表れているように思う。同様に、女性も優しく描く。日本画と洋画の枠を越えた「黄薔薇」が印象的。日本家屋に似合う西洋風の襖絵も素敵で「和洋折衷」の世界を堪能できる。2015/12/24
森の三時
19
一冊の本、内容もさることながら、その表紙、見返し、扉のデザインが更にその本を素敵なものにしてくれることがある。今では本の装幀(装丁)が素敵なものも珍しくないが、橋口五葉は、装幀家という職業がない時代、明治末から大正期にかけて文学書の装幀を手掛けたさきがけです。斬新で優美、本が調度品のように感じます。また、五葉の木版などの女絵、『髪梳ける女』『化粧の女』『長襦袢の女』など、日本女性の美しさ、色香が漂い素敵です。この本では、それらの絵の一部分の大判カットも掲載されていて、細部に宿る美も堪能できる。2016/01/16
しずかな午後
9
橋口五葉は、日本における装丁家の先駆者と言える。夏目漱石の『吾輩は猫である』をはじめ、漱石や鏡花など、明治の文豪たちの著作が、五葉の装丁によって出版された。草花や蝶や小魚といった生き物の図案をリズミカルに配した、美しく微笑ましい装丁が自分は好きだ。幸福で和やかな気持ちになる。また、晩年(と言っても39歳で夭折するが)の、一連の美人画は、白く柔らかな肌がはっとするほど美しい。五葉の装丁をカラーでたくさん見ることができて満足。2022/10/22
tenso_h(堀川てんそ)
3
千葉市美術館の所蔵名品展で最も目をひいた作品が、ともに夭逝の晩年近くに制作した『浴場の女』『紙梳ける女』でした。美術学校時代の裸婦デッサンや秀作としてのそれを見ると、本当に研鑽した実力者だったんだなと感じます。その技があるのに木版画って・・と思ったのですが。これが木版画?!と驚く作品。『髪梳ける・・』では自ら選んだ彫り師と摺り師を使っているのですね。もっと生きて欲しかった。2015/04/19
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