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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイク
101
少し前スペインを旅した。ドレドを訪ねた時サント・ドメ聖堂に行った。大勢の観客が並んでいた。それはエル・グレコの有名な「オルガス伯爵の埋葬」を見る為だった。2年間を費やし1591年に50歳の時に完成させたという。480×360cmの大作で彼の名声を決定づけた作品だという。ギリシャに生まれイタリヤで10年間画家として研鑽した。35歳頃スペインに移りほとんどをトレドで過ごし、数多くの名作を残したという。大半は聖堂の壁画用を製作したが、当時では前衛的な作品であり、後年の画家ピカソ等に大きな影響を与えたという。 2017/05/31
アキ
86
エル・グレコと言えば大原美術館「受胎告知」のイメージが強すぎて、独特な引き伸ばされた人体と宗教画が特徴と思ってきた。本書では、イコンとビザンティン美術を元にイタリアで最新のマニアリズムを学んだ肖像画と、トレドの現実とは異なる風景画を併せた画家であったという見方が新鮮であった。17世紀はじめにはバロック絵画が中心となり、グレコは19世紀にフランスで認められるまで忘れ去られていた。有名な「胸に手を置く騎士」など肖像画は、人物の内面を写したような描き方であり、近代絵画でいう表現主義的な側面もあったのだと知った。2024/11/16
風に吹かれて
21
エル・グレコ(1541-1614)をエル・グレコとして認識したのは≪無原罪のお宿り≫などの宗教画だったと思う。描かれている人物たちに血が通った温かみが感じられ今にも動き出しそうに思えた。五世紀も前に描かれているが、現代のアニメーションの一場面であるかのようだ。 クレタ島に生まれたドメニコス・テオトコプロス(本名)。ローマを経てスペインに永く住んだ。「色彩や構図法をティツィアーノ、建築モティーフによる深い空間構図をティントレット、明暗図法をヤーコポ・バッサーノに学んだ」ようだ。 →2022/11/09
えふのらん
2
美術史を眺めていた時に、なぜこの人はルネサンスのあとに遠近が狂った絵ばかりを描いていたんだ、と思ったことがあったのだけれどビザンツ美術残党だったとのこと。しかも単に東ローマの復興を狙ったとかではなく、イタリアで透視図法を学んだ上での確信犯。どれだけ遠近法を使いこなしていたかは盲人の治癒に明白で、改作にあたって前景の段差を光景に配置して透視図法を強化したり、イエスの腕をパース線化する等々の工夫が施されている。2025/11/03
やん
2
エル・グレコは大袈裟で古めかしい宗教画のイメージがあった。今見ると逆に生き生きしたフォルムやキャラの立った人物が現代的に思えてくる。端正でないところが好みの分かれるところか。解説部分はあまり興味が持てなかった。2020/09/19




