目次
第1章 宝飾デザイナーの時代(伝統的なスタイルの初期作品;豊かな色彩をまとった宝飾品の誕生;真の芸術へと昇華していったジュエリー;見る者の心に沁みとおるフォルム;綜合デザイナーへの道を意識した活動)
第2章 産業芸術家への道(絶頂期にしのびよる陰り;多様化する製品群;クリアに輝く世界への扉を開く;ジュエラー時代のガラス作品)
第3章 ガラス・デザイナーの時代(生涯を貫いた“彫刻的”作風;古さを新鮮さに変えるレトロな感覚)
まっすぐな一筋の道―ラリックの創作人生(ラリックのジュエリー主要技法;ラリックのガラス主要技法)
著者等紹介
鈴木潔[スズキキヨシ]
1954年神奈川県生まれ。東京教育大学教育学部芸術学科卒。筑波大学大学院芸術学研究科博士課程単位取得退学。武蔵野美術大学、玉川学園女子短期大学、東京歯科大学、筑波大学非常勤講師、北澤美術館学芸部長等を歴任、現在は黒壁美術館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hit4papa
56
ルネ・ラリック(1860-1945)の作品と生涯を概観するアートブック。大きさは実感できないものの、美麗な写真は十分に鑑賞に値します。このシリーズは、写真、作品の解説、時々の社会の変化やアーティストのモチベーションのあり様が、絶妙に配置されて、理解しやすいよう工夫されています。導入の書としては最適でしょう。ラリックは、アール・ヌーヴォーの終焉にともない非実用的なジュエリーからガラスへ移行しました。昆虫や爬虫類をあしらったグロテスクな作品群は、観ているうちに精緻な細工とデザインに魅力されるでしょう。2022/03/14
風に吹かれて
24
ルネ・ラリック(1860-1945)はアルフォンス・ミュシャと同じ年の生まれであることを知ると彼が生きた時代の雰囲気が伝わってくる。女優サラ・ベルナールの時代、宝飾で名をあげる。そして女性のファッションがコルセットを追放し体の線に自然なデザインに変化すると宝飾から離れガラス・デザイナーになる。ラリックの宝飾は当時の服飾に負けない造形で、それはそれで素晴らしいが、変化したファッションにラリックの造形性・彫刻性はそぐわない。 →2022/08/03
aisu
16
ラリックの生涯を初めて知りました。頑なでありながら柔軟。日本に作品が沢山あるので少しずつ見て行きたいです。取り敢えず東京都庭園美術館に行きたいの。2016/02/23
荒野の狼
14
2024年に箱根ラリック美術館を訪れ、ルネ・ラリックに興味を持ったので本書を購入。本書で重宝なのは、巻末に「ラリックのジュエリー」「ラリックのガラス」として1ページずつ「主要技法」が写真入りで説明されており、基本用語が解説されている部分。私を含め「もっと知りたい」シリーズの読者は、美術一般の知識はあっても、ジュエリーやガラスについての基礎知識はないので有用である。本書は、年代ごとに変化していくラリックの作風を、三期にわけて紹介しているが写真が多いので、図録に近い体裁。2024/05/22
なつきネコ@幼女に化けてます
12
サラ・ベルナールの展示会で、ルネ・ラリックの事を知り、彼の作品をもっと見たくなりましたが、別な意味で時代に奔放されながらも、自分のスタイルを貫きながらも名前を残した男の一生をみた気がする。彼の変転も時代を感じさせた。宝飾職人からガラス職人にへの変転。そこでも名前を残す凄まじさは尊敬する。繊細な作品群は見ていて感動した。 ガラスやエナメルの使い方と宝石の使い方はいいな。もっと、この人の作品は見ていた。2019/12/29
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