内容説明
その昔、まだ今のような道が存在しない時代、人は山村から山村へ、谷沿いを歩いて移動した。薮深い山肌を避けたのである。尾根や峠を越えるのにも沢や谷が使われ、登山においても山の弱点である谷筋が山頂に至るルートとして登られるようになっていった。そんな山とのかかわり合いの中から日本独自の「沢登り」という登山形態が生まれてきた。近代登山の発展と共に、「沢登り」はより困難性、より未開性の追求へと幅を広げ、数々のドラマを生み出してきた。沢登り愛好家や渓谷溯行家をまとめて「沢ヤ」と呼ぶ。本書は21世紀初頭において、人生をかけて沢登りを極めようとする一人の沢ヤの冒険譚である。
目次
序章 俺は沢ヤだ!危機一髪!―台湾豊坪渓下流部
第1章 沢ヤ成瀬の生い立ち
第2章 日本の大渓谷―黒部川剱沢
第3章 ゴルジュとエロスの不思議な相関―称名川ザクロ谷
第4章 大滝登攀のひそかな悦び―春川万滝沢
第5章 探検的沢登りの勧め―富士山麓景ヶ島渓谷と御嶽山赤川地獄谷
第6章 神の領域 大理石の大回廊―台湾三淺渓
最終章 沢登りの地平を拓くもの―世界における沢登りの可能性
著者等紹介
成瀬陽一[ナルセヨウイチ]
1962年愛知県豊田市に生まれる。20歳で沢登りに出会い、以後今日まで25年間国内外で沢ざんまいの日々。大学卒業と同時に南アルプス山麓のフリースクールにスタッフとして参加。山村の暮らし、子供たちとのかかわりのなか、あらたなる人生観を得てきた。現在は愛知県新城市作手高原に住む。黄柳野高校非常勤講師。理科・環境担当。探検部顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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