ルポ・京アニを燃やした男 - 京都アニメーション放火殺人事件

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  • サイズ 46判/ページ数 152p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784807419982
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

15
凡庸なアイヒマン引き事件は文化へのジェノサイド、「リスペクトなき反知性」と断じる。青葉と同世代、アニメ・ゲーム等コンテンツの受け手である以上に送り手として生きてきた著者は似た生息域の常総・北浦和などを歩き尽くし人の話を聞き、なぜ彼がああなったかを思考。故・朝倉喬司の手法に似て切迫感迫る。なろう系などでワナビは増えても「売れる=多くの受け手に届く」物を作れる人は一握り、勘違いし1文字・線も書かず俺のがうまいという浅ましさなど読む前より深く共感。ネカフェでなくホテルに泊まるなど色々きちんとしてたのには驚愕(続2020/01/12

かもめ(甘き絶望)

11
なぜにこういう凶悪事件が増えているのか?という疑問から読んでみた。京アニを燃やした男を凶行に及ばせたのは、社会性の欠如であると著者は結んでいる。「自分が認めてもらうには、まず多くの人々を認めるところから始めなければならない」。そういう能力が社会性である。取材では、青葉の不遇な過去がつづられているが、当然だが、不遇な環境を他者への憎悪に切り替えることは許されない。インターネットの普及がこういう憎悪を大きくするのだろうが、自分の感性の欠如を憎悪犯罪に変換することは決してやってはいけないことだと思った。2020/09/25

田中峰和

9
京アニ放火殺人犯の青葉は団塊ジュニア・氷河期世代。著者も同じ世代を足掻いてきた経験を踏まえ、青葉の反省と動機を読み解く。生活力はないのに生殖能力だけ強い青葉の父は、初婚で6人、再婚で3人の子を成した。青葉は再婚でできた次男。勤労意欲のない父のせいで貧しく、彼は定時制高校に進学した。役所の非正規職員で働きながら通学した青葉の転落の始まりは、役所を雇い止めになったこと。窃盗の実刑判決を受けた後は、生活保護を受けながら小説家を目指す。オタクでもなく金だけ目当ての青葉はクリエイターへの尊敬もなく虐殺を実行した。2020/03/26

futabakouji2

8
他者に対する想像力のなさとやり場のない気持ちが爆発すると凶行に走ってしまうのかなと思った本である。オフィスを燃やせばそこで働いている人は死ぬ。死んだらその家族の人や知り合いが悲しむ。冷静に考えてみるとわかることだが、精神的にやばいと止められない。やはり日頃のストレスに対する行動をしっかり意識しないと駄目だなと思ってしまった。2020/03/15

n75

3
30.ルポとしては薄いが、速報性と被害者との関係性という意味で意味はある本だった。週刊誌の記事などの引用と、直接の取材能力の低さから本質に踏み込み切れていないきらいはあるが、青葉の生い立ち等大筋はまとめられているので週刊誌等をバラバラ読むよりは良いと思います。精神病質を感じるるが、それはないと断じているのは、精神病によって減刑されることへの反発なのだろうか。また、巻末のQ&Aはさすがに主観で断じすぎていて蛇足。この件については追々より深いルポ本が出ることに期待。2020/03/06

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