目次
第1章 爆弾教本
第2章 バクダンの歴史
第3章 爆裂弾の発明
第4章 加波山決起
第5章 アンパンと爆裂弾
第6章 テロ爆弾の系譜
第7章 軍事委員会
第8章 筑波山中の公開実験
第9章 テロ爆弾研究室
第10章 監視と死
第11章 パリのテロ爆弾
著者等紹介
木村哲人[キムラノリト]
1933年、茨城県に生まれる。茨城大学電気工学科卒業。映画、テレビの録音技師。東映東京撮影所、日本テレビなどで映画、テレビ番組制作を担当。大島渚、寺山修司(故人)らとアテネフランセ学院で映画制作講座を開設した。映像技術、メディア評論などで、NHK、民放各社のテレビ・ラジオ番組に出演。1963年カンヌ・グランプリ『老人と鷹』をはじめとして国際コンクール受賞32作品の制作に関係。技術評論の執筆多数。音響効果の解説『音を作る』は三谷幸喜監督の映画「ラヂオの時間」の原作となった。どんな音でも作ることから、業界では「音の仕掛け人」のあだ名があった。2004年、逝去
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感想・レビュー
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六点
8
田舎の科学少年が、共産党山村工作隊に巻き込まれ爆弾製造をし、最後は監禁事件の当事者になったと言う体験を軸に、テロで使われる爆弾の歴史を追った奇書である。日本最初の爆弾テロ計画だった加波山事件の取調を行った判事の子孫で、製造の実際を聞き取った文書を見、『腹腹時計』が役に立たない事を見抜ける程度の科学少年になる縁も面白すぎる。では、『腹腹時計』は誰がなんのために…と、言うのは本書を読んで頂きたい。繰り返し出てくるのは、製造時のミスで、大事故になり、発覚に繋がる危険性である。労災の一種だよなと、ふと、思った。2020/02/16
西澤 隆
6
「発明戦争」でのエジソンvsベルの争いを解説する技術者ならではのわかりやすいスタンス、三谷幸喜「ラジオの時間」の原案となり映画ではおヒョイさんのモデルにもなった「どんな音でも作る録音技師」。もう一冊読んでみたいと選んだ一冊は、楽しんで読むには切ない、いつのまにか左翼爆弾技術者になってしまった興味津々技術少年の懺悔録とも言えるものだった。その先を知りたい・もっと技術を高めたいという願いと、人を殺めることへの嫌悪感。武器を作るひとの中の葛藤は今もそうなのだろうな、と。その「嫌悪感」のないひとへの警句なのです。2017/04/02
konaka
3
5-2017/05/22