内容説明
人は去り、人はあつまり、歴史を残して、世は移る。物語を紡いだ人びとが必ず立ち寄り、通過した小学校。その学校を窓として地域と文化を覗くことができるのではないか、そうした意識で消えた学校の元教師や旧子どもらをたずねあるき編みだしたのが本書ということになるだろうか。消えたなにわの学校をたずねて何人の人から証言を戴いたことだろう。おそらく数百人はくだるまい。メモ用に使った大判ノートは十一冊になっている。こうした人たちのおかげで百余校もの学校の輪郭を描くことができたのである。みんな歴史の主人公であり、研究の先生である。一人ひとり、お名前を記す余白はないが、感謝の気持ちでいっぱいである。
目次
第1章 天満、扇町から豊崎へ
第2章 船場、島之内、南大江
第3章 大和田、春日出
第4章 野田、鷺洲あたり
第5章 港区東部、第一次大空襲の被災校
第6章 港区西部、第二次大空襲の被災校
第7章 西、大正を行く
第8章 難波界隈
第9章 大阪市東・南部の高等小学校
第十章 効外学園と養護学校