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出版社内容情報
みすず書房を創業し、数多くの本を世に送り出してきた著者が、本づくりの基本的な姿勢や技術など、出版という職業にかかわるあらゆる事柄について、自らの体験と事実を重ねて、わかりやすく熱意をこめて語る。「タイムズの書体の変化」の写真や「瀧口修造の『マルセル・デュシャン語録(私家版)』の本文組み」のような読者の理解を視覚的に助けてくれる図版や、「夏目漱石『吾輩は猫である』」の初版本や「フランスの挿絵入り豪華限定本であるマラルメの詩集『半獣神の午後』」など、それ自体が大変に貴重な図版など、約40点を収録した。 ★★★朝日新聞「著者紹介」欄(1994年9月4日)=出版業の内側が、経験に裏打ちされた言葉でつづられている。優れたものへの一徹な意思が感じられた。★★★ ●●●「あとがき」より=私はいわば偶然に出版者になった。場合によっては植字工になったかも知れず、印刷工になったかも知れない。文字が好きだったからである。自分の職業と決めたからには、それをできるだけ満足のゆくものにしようと思った。松のことは松に習え、竹のことは竹に習えという。出版に関するものすべてから学んだ。学んではならぬものからは、とくに学んだ。上手の人から学び、下手な人からも学んだ。そのマイナスの理由を考えた。一つの職業のなかに「投げ込まれて」、無我夢中で、手足をバタバタさせて生きてきたわけであるが、その折々の判断の場合、展望力が必要とされた。それは、その時その時にはきわめて不充分だった。出版とは何だったのかという自問自答のあれこれを、今の時点でまとめたのが、これである。●●● 【主要目次】▲▲第1章 実例---現代史資料「ゾルゲ事件」が本になるまで=一官吏の書類綴/本文吟味の過程/本文の読まれ方--機能と変化/思想を犯罪とするための手段/「冷戦」の増幅手段としてのゾルゲ事件/知的遺産としてのゾルゲ事件 ▲▲第2章 出版の自由と「国」=D.H.ロレンス「チャタレー夫人の恋人」の場合(1957)/「日本人の海外活動に関する歴史的調査」の場合(1973)/「写真家マン・レイ」の場合(1982)/政府の「情報公開」の実態 ▲▲第3章 図書館=中田邦造の図書館思想/三宅坂の昔と今/中井正一とマックリーシュ/図書館と編集者 ▲▲第4章 本屋街=マーケットの形成と起爆力/「原書店」の場合 ▲▲第5章 印刷所=精興社/理想社印刷所/読書人階級(リーディング・パブリック)/半七写真印刷工業/栗田印刷 ▲▲第6章 校正(付・翻訳) ▲▲第7章 企画 ▲▲第8章 エージェント ▲▲第9章 造本装幀=本の風土性/本とは何だろうか/装幀の現場の実例/タイポグラフィ/グラフィック・デザイナー/瀧口修造先生と私/造本要素としての紙/紙の発明と進化/西方ルート--手漉きから機械漉きへ/インディア・ペーパー/配色について ▲▲第10章 広告 ▲▲第11章 職業としての出版 ▲▲第12章 読む本・見る本・聴く本=活字印刷の昨日と今日/「見る」本/「聴く」本
内容説明
みすず書房を創業し、数多くの本を世に送り出してきた著者が、状況を鋭く分析し、情熱をこめて語る「本のできるまで」
目次
1 実例―現代史資料『ゾルゲ事件』が本になるまで
2 出版の自由と「国」
3 図書館
4 本屋街
5 印刷所
6 校正(付・翻訳)
7 企画
8 エージェント
9 造本装幀
10 広告
11 職業としての出版
12 読む本・見る本・聴く本
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