みんなの保育大学<br> 手のうごきと脳のはたらき (新装増補版)

みんなの保育大学
手のうごきと脳のはたらき (新装増補版)

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806745631
  • NDC分類 376.1
  • Cコード C0040

出版社内容情報

旧版18刷まで重ねたロングセラー、待望の増補新装版。子どもを健常に発育させるには?発達の遅れの早期発見やその遅れを克服し、発達をうながすための方法は?脳の発達とつながっている手の動きに注目し、手を使った遊びや労働の大切さを訴える。ヒトの進化という科学の目を通して保育を考える本書は、健常児・障害児の区別なく、すべての子どもの発達の可能性を切り開く書である。  ★★★灯台評=鉛筆がナイフで削れない、ひもが結べない、箸が上手に使えないなど、近頃の子どもたちの手作業の能力低下が重大な問題であることを指摘。人間の進化発達の歴史、人間の全身、全生活との関連の中で手の働きを捉え、解かりやすく教えてくれます。★★★  ■■■女性(21歳)=どの本もわかりやすく、科学的に書いてあるので納得しながら読んでいます。大学でもこのように教えてくれるといいのにと思ってしまいます。■■■女性=保健婦として乳幼児の発達を支援するための身体のメカニズムの理解に役立ちます。さくら・さくらんぼの保育内容も知りたくなってきます。■■■  ●●●本書「手と保育の問題」より=手、指の発達のおくれはなんらか脳の発達のおくれにつながっている場合が多く、「手はつき出た脳ずい」ということがうなずかれる。ところが最近は、健常児として生まれてきた子どもたちのなかに、この手指の開きや操作のおくれなどの子どもが見えるようになってきた。ハイハイさせても手指を開かず、握りこぶしで床についていたり、ぞうきんがけのとき、布を指先を使わず手首のところで押したり、でんぐり返りをするとき、手の甲を床につけたりする子どもが何人も観察される。こうした子どもたちは、やはり他の面でも同年齢の子どもたちにくらべて劣りが見え、「手」だけでなく、足うらの土ふまずの形成もおくれが見える。ペタペタと足うら全体をつけて歩く。両足を床から同時にあげてピョンピョンとぶウサギとびのときも、爪先だけでとべず、足うら全体を床につけてとぶ。アヒル歩きでも、かかとがあげられない。腰をあげての高這いでもかかとをあげられず、足うら全体をつけてしまう。したがってひざが曲がるなど観察され、描画の線は弱く、内容も幼いことがわかる。集中力も弱さがみられる。これらの子どもたちの母親の妊娠時、出産時の調査表をみると、ほとんどが、貧血、中毒症、尿蛋白がでた、などの記載があり、出産の際は陣痛微弱のため促進剤の注射をうけたり、吸引分べん、帝王切開であったり、早期破水、羊水のにごりがあった、等々、あわや障害につながりかねない危険な出産であったことも記載されており、おどろくのである。このことについては「こどもの発達とヒトの進化」でもふれたが、母体のほとんどが、無事に胎内で子育てができる状態ではなくなってきていることを物語っている。発達のおくれを早期に発見し、そのおくれを克服させ発達をうながしていくための方法は、ヒトの子を科学の目を通してとらえ直し、生物の進化にまでさかのぼって、その進化のみちすじを学ぶことによって、あるいは探り出していくことができるかもしれないと考えるからである。私はこのことによって、子育てのうえに、障害児保育のうえに、すばらしいヒントを得ることができた。たとえば満4歳をすぎた重い脳性マヒの子どもは、入園した当初は、手指も足指も硬直して内側に曲がりがちであった。が、私が芝生の上にあおむけに寝た子どもの両足首をもって、魚類の前身運動をまねて、くねくねと背骨をくねらせてやると、それは気持ちよさそうに目をつむり、ウトウトしていたが、やがて硬直状態の両手、両足の指がやわらかく開き、いままで、足の親指をそらせて地につけることができなかったのに、素直に開いて、親指を地につけ、手をひっぱると立ち上がろうとしたのに、私自身もおどろいた。生き抜くために、さまざまに自らの体を変えてきた長い生物の歴史は、学べば学ぶほどおもしろいが、単に興味あることとしてだけでなく、私たちにとって、すべての子どもの発達の可能性の展望をきりひらいてくれるものである。●●●  【主要目次】▲▲第1章・魚のヒレからできた手足=手人間、口人間、足人間/足から生まれた手/上下と体のしくみ/手はなぜ左右にあるのか?/魚の泳ぎかた/イモリと赤ちゃんのハイハイ  ▲▲第2章・手のはたらきと脳の発達=手=環境作働器とは?/特徴のないところが特徴のサル/森がヒトをつくった/手で握ることをおぼえた/よくうごく肩と肘の関節/親指のはたらき/ヒトの指、動物の指/五本指の効用/たいせつな指紋/手は脳の出張所  ▲▲第3章・道具をつかう手=ヒトだけが道具をつかう?/チンパンジーの白アリ釣り/道具をつくる道具/器用と不器用/手と指  ▲▲第4章・質問に答えて=精密把握と握力把握/指紋と手相/ギッチョのこと/両手をつかおう/障害児と社会/鎖骨のない子/眠っている脳をおこす  ▲▲手の教育=技育のすすめ--増補版によせて  ▲▲付言・手を考える(子育ての現場からみて)=年長児の手/乳児の手、全盲児の手/手と保育の問題

内容説明

脳の出張所といわれる手の働きが、子どもたちの脳の発達とどのようにつながっているのだろう。

目次

1 魚のヒレからできた手足
2 手のはたらきと脳の発達
3 道具をつかう手
4 質問に答えて
手の教育=技育のすすめ―増補版によせて

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