きのこの自然誌 (新装版)

きのこの自然誌 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806721987
  • NDC分類 657.82
  • Cコード C0045

出版社内容情報

きのこを100倍楽しめる名エッセイの新装版。きのこ学の第一人者であり、日本人初のユフロ学術賞に輝いた著者が、古今東西のきのこにまつわる文化を深く洞察し、現代社会と菌類たちとの接点を、静かな語り口でつづる。  ■■■男性(39歳)=いろいろなきのこの生態が専門知識がないものでもたいへん楽しく読めました。それにしてもきのこは知れば知るほど奥深い生態があるものです。■■■  ●●●「新装版によせて」より=この本を書いた頃は「きのこって、何とおもしろい生き物か」と思っていた。しばらくして「いったい、きのこって何だろう」と考えはじめた。ようやく「きのこはどうやら森林に生まれた新しい生物で、腐生からスタートし、第三紀になって繁栄しだした特定の樹木のグループと共生する方向へ進化したらしい」と、一応納得できる答を見つけたつもりでいた。ところが、ここ数年「きのこは何を語ろうとしているのか」と、とまどうことが多く、またぞろ悩み始めた。先日、「ショウロの取材をしたいので」といわれて、あちこち尋ねてみたが、今はもうとれる所も料理を出している所もない。マツタケはご存知の通り輸入品にかわり、ハツタケやアミタケすら見なくなった。西日本のマツ林は枯れてシラカバ林のようになり、岩山や砂丘でも枯死しつづけている。東北、北陸、山陰の雪が多い山地ではブナやナラが枯れ、九州や紀伊半島ではシイやカシが、高い山ではモミやツガが枯れている。いずれもきのこと菌根をつくる種類で、木か、きのこのどちらかが死ねば共倒れになる仲である。弱り始めた林からはきのこが姿を消し、明らかに細い根は腐っている。きのこのように試練をうけた回数の少ない新しい生物ほど、自然の変化には敏感なはず。きのこは今、その姿を消すことによって私たちに何かを告げようとしているのでは……。もし、きのこが地球温暖化や環境汚染の預言者だったとしたら……。と考えると、きのこの姿がまた変わってみえてきた。かれんなきのこが黙示録の天使に変身しないことを願うのみ。ほんの数十年の間にも正しいと信じていたことが、あてにならなくなり、つぎつぎと不可解なことが現れる。きのこに限らず、生物とはやはり「未知の科学」に属するものかもしれない。●●●  【主要目次】▲▲第1章・きのこの形、きのこの成長=雷の落とし子/天地無用/ユダの耳/きのこに根はあるか/異常気象とショウゲンジ/マツタケ前線は南下する  ▲▲第2章・毒きのこ、薬になるきのこ=ひそやかな光/笑うきのこ/きのこ殺人事件/聖なるきのこ/ものは使いよう/ありがたいきのこ  ▲▲第3章・胞子の世界=産めよふやせよ/ひと夜の命/くさい奴/運び屋のナメクジ/お腹を空かしたチップモンク/ブタの好物  ▲▲第4章・菌糸・菌根のこと=城をきずく/山が吹く角笛/生きている化石/靴のひも/ぶくりょうつき  ▲▲第5章・きのこの栄養のとり方=シメジあれこれ/ランに食われる/落葉を食べる/由緒正しいヒラタケ/居候/きのこの糞尿譚  ▲▲第6章・きのこの分布・きのこの生態=きのこ狩り/コスモポリタン/追われるハツタケ/ヒョウタンから駒/クリのポックリ病

内容説明

きのこ学の第一人者が古今東西のきのこにまつわる文化を深く洞察し、現代社会と菌類たちとの接点を、静かな語り口で綴った名エッセイ集。待望の新装版。

目次

1 きのこの形、きのこの成長
2 毒きのこ、薬になるきのこ
3 胞子の世界
4 菌糸・菌根のこと
5 きのこの栄養のとり方
6 きのこの分布・きのこの生態

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

taku

14
見た目も様々、珍妙で驚異のファンタスティック菌類、それがきのこ。1983年初刊の97年新装版であり、近年見かける専門家エッセイのような、ことさら気を引く構成じゃない。きのこ博士が落ち着いた口調で、きのこと生まれる自然を語る、謙虚ながら深い滋味を詰めたきのこ尽くしエッセイだ。食用種はウマい。でも生食はほとんどの種がNG。毒持ちも多数。何なんだお前らは?と思いつつ今日も菌の塊を口にしよう。2022/08/10

takao

2
ふむ2022/07/12

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