内容説明
アユのいる風景を取り戻したい。アユの生態を調べ、天然アユの増加に取り組んできた研究者が書く、アユの話。
目次
第1章 アユの一生(春;夏 ほか)
第2章 変わりゆく川(アユが干上がる;生き物からの危険信号 ほか)
第3章 アユと漁協(種苗放流、その効果とリスク;放流しているのに、なぜ釣れない? ほか)
第4章 自然の恵みを未来へ(生態系のサービス―経済評価では見えないもの;アユを指標種にする理由 ほか)
著者等紹介
高橋勇夫[タカハシイサオ]
1957年高知県生まれ。長崎大学水産学部卒業。農学博士。1981年から、(株)西日本科学技術研究所で水生生物の調査とアユの生態研究に従事。2003年、「たかはし河川生物調査事務所」を設立し、天然アユの資源保全に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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尾張こまき
2
若アユの天ぷら!食べてみたいわぁん(はあと)。とても平易で読みやすく(新聞連載だそうです)、天然アユを巡る現状について、非常に良く理解できます。なわばりアユが黄色い理由、小わざ魚道、水力発電が川に与えるダメージ、知らなかったこと・興味深いことだらけ!「魚道に見える構造物を作ることに特化」なんて皮肉もシビレル!人の「放流病」の蔓延によって川の劣化が進んだという指摘は鋭いです。内水面漁業のひずみ、最近も行政の卑劣な行為で悲劇が起きたばかりですが、応援してます!全国の良識ある漁協の皆さん!!2014/05/03
ぼっこれあんにゃ
1
☆いや~よかった。アユにこだわりながら、川があるべき本来の姿や、最低限守るべき事項などわかりやすく解説している。本の中で何度も川に潜るという表現が出てきているが、著者が実際現場を見て伝えていることが分かる。この徹底した現場主義がよい。様々な川を見てきたというマクロの視点と、その川に潜ってみたというミクロの視点を持つこの希有な書は川に携わる者として必見であろう。2009/10/15
orangepelican
0
表紙とタイトルから難しそうな本かな?という印象を受けたのですが、非常に読みやすい本です。一般の方がアユの生態や、今、日本の川に起きている問題を知るためにはとても良い書だと思います。著者は川に何度も潜り、実際に見てきた人なので、内容にも説得力があります。アユに対する個人的な思い入れがあるのだと思いますが、とてもバランス感覚に優れた人に見受けられます。ダムや農薬など犯人探しではなく、問題解決のためにできることをやろうということが印象的でした。また「エコ」という言葉に対する記述も、非常に共感できました。2014/12/28
Ryo Sogawa
0
身近にきれいな川のある環境を、我々の世代で「実現する」にはどうすればいいのだろう。2014/06/22