長野の「脱ダム」、なぜ?

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長野の「脱ダム」、なぜ?

  • 保屋野 初子【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 築地書館(2001/04発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 112p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806712237
  • NDC分類 517.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

田中康夫長野県知事の「脱ダム宣言」以来、世界が注目する公共事業の政策転換の背景を緊急リポート。
先進国から取り残される日本の公共政策の後進性や、世界の治水・利水の最新動向をふまえての、田中知事の政策転換の是非をコンパクトに解説する。

【書評再録】
●毎日新聞評(2001年5月6日)=“ダム”に焦点をあてて、この本は、様々な素材を提供してくれる。「コンクリートのダム」だけをダムとみる硬直思考を解きほぐすには、おおいに有益な1冊である。
●アウトドア評(2001年7月号)=【ダム事業の転換期を迎えた日本。新たな河川行政とは何かをグローバルに考察する】本書は、「脱ダム」宣言を日本のダム事業の転換期の産声ととらえ、ダム建設の問題点と新たな河川行政の在り方を考察したものである。環境問題に関心がある人にはいわば復習的な内容ではあるが、簡潔でわかりやすいのがいい。本書は、ダム問題にやっかいさを感じている人の頭の中にも、すんなりと入ってくるはずだ。さらに、世界のダム事情についても、概略ではあるがふれられていて興味深い。
●出版ニュース評(2001年6月上旬号)=「脱ダム」は長野固有の問題ではなく、自明とされてきた固定観念を打破する好機なのだ。
●週刊ダイヤモンド評(2001年4月28日/5月5日合併号)=「脱ダム」の意味をわかりやすく語る本。欧米では20年越しの「脱ダム」に学ぼう。

【読者の声】
●男性(66歳)=非常にわかりやすい。知りたかったことが書いてある。
●男性(68歳)=誠に適切な時に、適切な本を発刊してくださり、心から感謝しております。
●男性(64歳)=治水・水資源のありように、新しい切り口でのリポート、目からウロコの感じです。続編を期待しております。
●男性(64歳)=考えの片寄っている人、公共事業を最良と思っている人、自然の良さ、日本の良さ、水の大切さを知らない人ほど読んでほしい。この本を買わない人こそ読んでほしい。国会議員等に全員に配布してもらいたいほど。

【内容紹介】本書「かつてダムはコンクリートでなかった---序にかえて」より
 法律のなかでの「ダム」は、堤高15メートル以上の流水を占有するための工作物と決められているので、そこからすれば「ため池」はたしかにダムとはいえない。しかし、もっと本来的な役割まで視野を広げてみれば、「水を貯えるしかけ」を“ダム”と捉え直すことができるだろう。ため池は間違いなく“ダム”だったのだと、このごろになって理解した。
 2000年夏にオランダからドイツ、オーストリアへと列車で旅行した。ドイツあたりで田園風景をぼおっと眺めていて気づいたことがある。風景を構成する土地のラインが上下、左右ともなだらかにうねる曲線を描いている。そこに葡萄や小麦が植わっている。
 日本のそれは、そういえば水平な直線が山裾まで続くか、山間でも短い水平直線が段々をなしていて、どこでも水平ラインで構成されている。そう、水田に水を張るために営々と創り出してきたラインなのだ。
 いちめんの緑なすゆるやかな曲線でできた風景と、無数の水面の水平直線がつくる風景。そうだったのか、日本というのは上から下まで、小さなしかし膨大な数の“ダム”によって大量の水をたたえる列島なのだ。これもいまさらながら納得がいったことだ。
 法律で定める「ダム」は身近でなくとも、“自然にちかいダム”なら昔から誰のそばにもあり馴染んできた。それらは土でできていたり、森であったり、草や木々や石でできている。さまざまな“自然にちかいダム”のことを私たちはダムだと思わないでここ何十年も過ごしてきてしまった。「ダム」とは、コンクリートの巨大な壁(ロックフィルの場合もあるが)で川の流れを塞き止めて工場のように操業するものだとばかり思い込んできたのだ。
 かつて“ダム”はコンクリートでできてはいなかった。田中康夫長野県知事があちこちに衝撃を与えた2001年2月の「脱ダム宣言」のなかで、あえて「コンクリートのダムは……」と述べているのはまさにそういうことだ。ダムというものについてここ数十年、役所だけでなくみなが固定観念で凝り固まっていた定義をもっと広げて考え直そうよということだ。せっかくのチャンスである。本書が日本人が各所各所で使いこなしてきたさまざまな“ダム”について考え直すきっかけになるように願っている。

【主要目次】
▲▲第1章・なぜ「脱ダム」なのか=「脱ダム宣言」は唐突なのか?/宣言の国、根まわしの国/アメリカは脱ダムからダム撤去へ/サケの邪魔をする権利はない/農地を川に“お返し”するオランダ/“生態学的な治水”を進めるドイツ/キーワードは「氾濫原」のダイナミクス/ダム反対運動が火をつけた/自然への“譲歩”が始まっている
▲▲第2章・日本はなぜダムを造ってきたのか=もともと川の水は誰のものだったか/「新参者の水」はどう生み出されたか/はじめ「治水目的」などなかった/ダムの「戦時体制」と自然保護の闘争/“ダムだけをつくる仕組み”が生き残った/補助金が“ダムだけ”を選ばせる
▲▲第3章・コンクリートダム・デメリット=かくして“土砂貯め”になった/上流と海にはデメリットばかり/ダムが“凶器”に変わるとき/“地元の水”は取り尽くされた/山河と経済を滅ぼすコンクリートダム
▲▲第4章・〈堤防+ダム〉治水の“決壊”=氾濫を前提の治水方針を宣言/川の領分に侵入しすぎた仕返し?/なぜ進まない国土交通省の「総合治水対策」
▲▲第5章・かつて「やわらかな水社会」があった=誇り高き「水防文化」をもったムラ/水を受け入れなだめた昔の治水/水利用の秩序をつくりあげたムラ社会
▲▲第6章・いまひとたび、“共水社会”をつくる=日本の氾濫原、それは水田/森林の「緑のダム」効果はいかほどか/“自然にちかいダム”とコンクリートダムとの損益分岐点?/“地下水ダム”を育てる町/サケ、アユ、風景にも水の権利が/「氾濫前提」答申を「脱ダム」で読むと/川の管理人を交替させるとき/水道ももはや「脱ダム」でいこう/さまざまな工夫を組み合わせた浅川の「脱ダム」案/流域を単位に「水循環」で再構築する社会

内容説明

田中康夫長野県知事の「脱ダム」宣言以来、世界が注目する公共事業の政策転換の背景を緊急リポート。

目次

1章 なぜ「脱ダム」なのか
2章 日本はなぜダムを造ってきたのか
3章 コンクリートダム・デメリット
4章 「堤防+ダム」治水の“決壊”
5章 かつて「やわらかな水社会」があった
6章 いまひとたび、“共水社会”をつくる

著者等紹介

保屋野初子[ホヤノハツコ]
1957年長野県上田市生まれ。旧制中学の校風が残る県立上田高校、筑波大卒。フランス留学、出版社勤務を経て、フリーのジャーナリストとして朝日新聞の「アエラムック・学問がわかるシリーズ」創刊以来の編集デスクを勤めるかたわら、「週刊現代」「アエラ」などを中心に取材記事多数。南・北アメリカ、ヨーロッパでの環境問題を取材した海外ルポも多い。法政大学大学院博士課程(政治学専攻)で研究活動も続行中。『田中県政への提言』(川辺書林)では、「県財政」を分担執筆。主著『水道がつぶれかかっている』(築地書館)は、行財政改革の立場から水道事業の全体像を描き、大きな反響を呼んだ
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感想・レビュー

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千日紅

1
本書を読んだ理由は、①著者の名前を様々なところで見かけたこと、②脱ダムの経緯を知りたかった、からです。ダムに関する論点がよく整理されています。ダム建設による自然への影響に驚きました。2016/06/05

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