内容説明
愛知県・岐阜県・三重県・静岡県、短歌史を彩る31人の東海の歌人。岡井隆、春日井建から荻原裕幸、野口あや子まで、現代短歌を変革してきたのは、東海の歌人だった。中日新聞夕刊文化面の連載を書籍化。
目次
1 東海のうたびと(春日井建;荻原裕幸;小島ゆかり;野口あや子;浅野梨郷 ほか)
2 吟遊の街―二〇世紀の名古屋を歌う
著者等紹介
加藤治郎[カトウジロウ]
1959年、名古屋市生まれ。早稲田大学教育学部卒。83年、未来短歌会に入会。88年『サニー・サイド・アップ』で現代歌人協会賞。99年『昏睡のパラダイス』で寺山修司短歌賞。毎日新聞毎日歌壇選者。朝日新聞東海歌壇選者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
59
百千鳥遠く鳴海の球場に勝利投手の影氷りけり あかねさす日清戦争、砲弾が指に貼りつくゆめよりさめて 噴水に春のブラウス濡らしつつほんきなのって瞳は嘆く きみの言葉はこころを素描できるかい彗星のように裂けた制服 わがままな貴婦人に似た紅のパノラマカーよ歌いつつ去る 尖塔の小さな窓に少年の顔みゆ永久に鎖されし塔に2016/07/24
しなの
10
今日から加藤治郎先生の短歌講座に通い始めました。そのテキストなのだけど、読んでてとても熱い思いを受け取った。あらためてもっと詳しく歌集を買って読んでみたくなったのは特に小島ゆかりさん。2016/08/06
8
1
図書館。前半は東海(名古屋を中心に美濃、伊勢)の歌人を選んだ一首と短文で紹介、後半は名古屋で“歌に詠むなら”という場所を紹介している。中学の謎の像が怖い。歌人は巨星佐佐木信綱から歌集も出ていない新人まで幅広く紹介しながら、“私の好きな歌人”という選考基準の中で優劣が無いのが凄い。そして著者も著名な“東海のうたびと”なので、各所に少しづつ登場する姿をまとめると、各歌人に配されたぐらいの分量になりそう。知らなかった歌人が魅力的で読みたくなった。2024/05/20
yumicomachi
1
短歌史に名を刻む31人の「東海のうたびと」一人一人の紹介は短いが、情報が凝縮され、エピソードに臨場感がある。20世紀の名古屋を歌い綴った「吟遊の街」もゆかしく楽しい。2017/05/06