内容説明
金沢市中心部を流れる犀川は、浅野川とともに金沢の人々の心のよりどころである。本作は加賀友禅に魅せられた女性が結婚、出産、離婚などを経て芯の強い金沢おんなとして成長するとともに、友禅作家として育つ過程を描いた。金沢の古い街並みと、四季折々の花々で彩られる犀川の水面、加賀友禅の典雅な世界、能登のモノトーンの情景…。これらが美しいスクリーンのように展開し、読者を引き込む。浅き春、穏やかな陽光を受け、淡く光る積雪…。そんな清らかな温かみが読後に残る。
著者等紹介
湯浅弘子[ユアサヒロコ]
1938(昭和13)年7月、旧京城生まれ。石川県立金沢桜丘高校卒。1975年よりテレビドラマのシナリオを執筆。1997年、小説「潮境」で第8回日本海文学大賞(中日新聞北陸本社主催)を受賞。2007年、「夢香山」で第3回泉鏡花記念戯曲賞奨励賞。同人誌「カルネヴァーレ」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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