内容説明
学生寮と阿美寮の他界性、男性/女性ジェンダーのステレオタイプ化などをめぐる対談。併せて、「父をめぐる緑の病」という視点からの堀口論文、「突撃隊と永沢さんの同一性」という視点からの酒井論文を収録。
目次
1 対談・『ノルウェイの森』(学生寮と阿美寮;『ノルウェイの森』における暴力(エゴイズム)
男性ジェンダー/女性ジェンダーのステレオタイプ化
「癒し」と「許し」の文学)
2 『ノルウェイの森』―父をめぐる緑の病(緑―ピスタチオのようなもの;短髪からの変貌―ジェンダー意識;「エウリピデス」の緑―母親の排除;父なるものの存在―もう一つの三角関係;甘えと応答―不在の父親を求めて)
3 『ノルウェイの森』への一視点―突撃隊と永沢さん
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mataasita
13
自分なりに考えてみたが、ワタナベは4人の女性の癒やしの存在であるようで結局のところ一時的によりかかるだけの流木のようなもの。本当は存在の理解と答えを欲しかった女性に対して相槌をうっていただけなんだと思う。カウンセリングマインドで誤魔化せていた女性たちはそれに満足せずワタナベにガイダンスマインドを求めていた。それに気づけずにただ寄り添い、セックスでしか自分の至らなさや限界を何とかするしかなかったワタナベ。自分のいる場所さえ分からなくなるのは当然の報い。愚かな男の反省に似せた武勇伝でしかない。2023−1282023/11/19
かぁ
1
視点が広がった。 自分も、恋愛というよりもっと男女の垣根のない 人との繋がりをこの小説から感じとったな~。 好きな作品なので、こういった考察系ずっと探してました!読めて良かった。2024/07/30