内容説明
ミルトンが生きた17世紀英国革命期は、キリスト教界での新旧勢力の抗争期でもあった。保守も革新も宗教的信念に支えられ相互に不寛容だった当時、急進セクトが伝統や権威に対峙した姿や流れを再考することは、人類の歴史の意味を再考することにもなろう。当時再興したグノーシス主義についての考察も加えた。
目次
1 ジョン・ミルトンと英国革命期の急進思想
2 ウィンスタンリイ、ミルトン、バニヤン
3 「失楽園」における音と意味
4 ランターズとそのレトリック
5 ジョン・ミルトンにおける正統と異端
補遺(グノーシス主義とその文学的表現解釈への序論;智の背反性;マニ教と二元相克と詩;龍と処女)