内容説明
ゾラの影響を脱して独特の多様な世界を展開したアメリカ自然主義文学。百年あまりをへたいま、共同研究の研究者たちが現在の視線で鋭く切り込み文学と社会をゆるがしたその衝撃の秘密を探究する。
目次
第1部 ゾラの影(死に結びつく恐ろしい「環境」―スティーヴン・クレインの世界;フランク・ノリスの文学修業―初期短篇と『ヴァンドーヴァーと獣性』を読む;ヴァナミーから読み解く『オクトパス』;クレインの言語とノリスの言語;ゾラの自然主義と闘ったラフカディオ・ハーン―『チータ』の文学的意義)
第2部 ジャック・ロンドンを読み直す(ジャック・ロンドン、デビュー物語―短篇小説と世紀転換期のアメリカ文学市通;ジャック・ロンドンの「労働」と「所有」を考える―世紀転換期の「アメリカ」に照らして;ドキュメンタリー・フォトブックとして読む『奈落の人びと』;ジャック・ロンドンに対する薩摩武人の影響―長沢鼎の場合)
第3部 ドライサーをめぐって(ドライサーのヒューマニズムを求めて―『「天才」』を中心に;モダニストのドライサー、自然主義的なベロー―『シスター・キャリー』と『この日をつかめ』の「海」)
著者等紹介
大浦暁生[オオウラアキオ]
東京大学大学院修士課程修了。現在、中央大学名誉教授。アメリカリアリズム文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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