内容説明
16世紀初頭のローマを中心とした「盛期ルネサンス」建築の創始者として位置づけられるドナート・ブラマンテ(1444‐1514)。15世紀後半、都市整備や建築の事業は、施主たちのimpresaを求める飽くなき政治的パフォーマンスと同一視され、一方で建築は、フィラレーテ以来、ある種の社会改革者、「理想都市」の創造者(「デミウルゴス」)像と重ねられ、世界をも造り変え兼ねない技術であるという怖れのイメージを生んでいた。半世紀前に提示された、自由な市民社会においてはじめて定着しうるようなアルベルティ的建築家像―絶えず建築形態に新しい意味を与えようと苦闘する存在―は保留されざるを得なかった。このような世情の中で、ブラマンテはいかにして建築固有の表現手段を、そのpo¨iesis(作詩法)を、構築していったのか。
目次
絵画から建築へ
ブラマンテとロムバルディア
教皇のローマと工匠たち
ローマへのデビュ
ベルヴェデーレの中庭とヴァティカン宮殿の計画
「テムピエット」
サン・ピエトロ聖堂の計画
ブラマンテと都市
ブラマンテとそのサークル
著者等紹介
福田晴虔[フクダセイケン]
1938年秋田県に生まれる。東京大学工学部建築学科卒、建築史専攻。東京大学助手、大阪市立大学工学部講師、助教授、九州大学大学院教授、西日本工業大学教授などを経て、九州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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