出版社内容情報
「好きなことだけしかやらない」
「すぐに癇癪を起こす」
「反抗的な態度を取る」
「まわりをバカにする」
「暴言を吐く」
親は手を焼き、先生は対応しきれず、クラスでは浮いてしまう。IQが高いのになぜ問題児になってしまうのだろう? どうしたら持てる才能を伸ばせるか?
認知脳に比べ、社会脳の発達が遅れているギフテッド児は社会の中で他人の心を想像し、自分に引きつけて考え、行動することが苦手なため、集団で協力しあって行う学習にもついていけなくなる。IQが高くても、知識を活用して考えを深め、新たなことを発見・創造するまでには至らないのだ。持てる才能の芽を摘まずに個性を伸ばしていくには、適した学びの場や親のサポートが必要なのである。
不可解で学校でも家庭でも“扱いづらい”とされる子の困難を知り、上手に寄り添い援助する法。
内容説明
IQの高さは社会を生き抜く力ではない。ギフテッド児の困難。才能を開花させるには、「高い知能」に加えて、「創造性」「やりぬく力」が必要だとされています。「創造性」を育むには柔軟な思考や積極的なチャレンジが不可欠ですが、完璧主義のギフテッド児は失敗をいやがります。苦手なことは最初からやりません。また努力や鍛練も苦手です。わずかな反復学習でなにをどうすればいいのかわかってしまう上、すぐに飽きるのです。モチベーションの維持が困難で、ひとつの課題をやり抜くことができません。持てる才能が花開くには、適した学びの場、そして親や周囲の大人のサポートか必要なのです。
目次
1 得意・不得意の激しい凸凹 IQ130以上の子の特性を理解する(家庭での問題 好きなことでも途中で投げ出し、反抗的な態度をとる;家庭での問題 働きかけても素直に応じない。どう育てたらいいかわからない ほか)
2 才能を生かせる大人になるには社会脳とメタ認知の獲得が大事(神経発達の段階1 定型発達も非定型発達も発達段階には個人差がある;神経発達の段階2 メンタライゼーションとメタ認知が能力を引き上げる ほか)
3 自分らしい日々を送れるように家族でできる9つのチャレンジ(【チャレンジ1 脳のアイドリング】寝る前の30分間に、ボーッと楽しいことを考える;【チャレンジ2 居場所づくり】自分のままでいられる居場所を複数つくる ほか)
4 発達障害の傾向が強いときは医療のサポートを受ける(医療的介入 2Eの可能性があるなら慎重に観察し、援助を受ける;ASD的アプローチ 日常生活を構造化し、しくみのなかで動くことを学ぶ ほか)
著者等紹介
宮尾益知[ミヤオマストモ]
小児精神神経科医・どんぐり発達クリニック名誉院長。医学博士。東京生まれ。徳島大学医学部卒業。東京大学医学部小児科、自治医科大学小児科学教室、ハーバード大学神経科、独立行政法人(現・国立研究開発法人)国立成育医療研究センターこころの診療部発達心理科などを経て、2014年にどんぐり発達クリニックを開院。2025年より名誉院長。専門は発達行動小児科学、小児精神神経学、神経生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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