内容説明
がんばれ奇跡の一本松!ベストセラー『千の風になって』の著者が紡いだ、家族愛と再生の詩。なぜ一本だけが助かったのか…。
目次
希望の木
All About高田松原一本松
陸前高田市より全国の皆さんへ 復興の誓い―陸前高田市長 戸羽太
あとがきに代える八つの断章 地震と津波の一本松
著者等紹介
新井満[アライマン]
作家、作詩作曲家、画家、写真家、長野冬季オリンピック開閉会式イメージ監督など、多方面で活躍中。1946年新潟市生まれ。上智大学法学部を卒業後、電通に入社。在職中はチーフプロデューサーをつとめた。小説家としては1988年『尋ね人の時間』(文藝春秋)で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はな
19
泣きました。リアルに涙がぽとぽと出てきました。陸前高田市にあった7万本もの松林。それが東日本大震災によってことごとくなぎ倒され、1本の松の木だけが残りました。それが「希望の木」となっているのです。3.11の前、新潟の地震で恐怖を体験し、PTSDにまでなった作者さん。お辛かったでしょう。私自身、震災は忘れたくても忘れられない記憶です。この希望の木がこれからもたくさんの人の希望となるよう、願っています。2020/07/31
itica(アイコン変えました)
18
高田松原の7万本の松の木が震災により一瞬にして消えた、ただ1本の松を残して。逝った者の苦しみ、残された者も、また苦しむ。1本の松の木を擬人化して文章に記されているが、それはそのまま被災された方々の声だと思うと、胸が潰れるような痛みを伴う。テレビで見た震災の爪あとの大きさに何度も衝撃を受けたが、踏ん張って立っている1本松と同様に、踏ん張っている方々を忘れてはいけないと、今改めて思う。2012/01/12
anne@灯れ松明の火
16
新刊コーナーで偶然に出会った。一本だけ残った松の気持ちになって、描かれた詩。写真と一体になって、観る人の胸に迫る。その場で読めてしまったけれど、相棒に見せてやりたくて、団体カードで借りてきた。最近、落ち込むことがあったと言っていた彼女。これを見たら、きっとまたがんばろうという気持ちになってくれるだろう・・・・・・。2012/01/22
ヒラP@ehon.gohon
12
東日本大震災の大津波の中、松原の中で一本だけ生き残った奇跡の一本松。 あまりにも有名ですが、松の目からは大津波はどのように見えたのでしょうか。 仲間たちを見送ることだけしかできなかった松の立場で、書かれた本です。 生き残ったものの、現在は枯れてしまって、再生されたモニュメント。 きっと不本意に違いないと思いながら、人々はそこに希望を感じているのも事実です。 残された苗たちが次の世代にバトンをつないで欲しいと感じました。2016/05/16
ikedama99
11
地元の図書館で読んだ本。あの「一本松」のモノローグ。七万本の中の生き残りの1本ということまでは知らなかった。生き抜く力だけではなく、周りへの思いも感じる。このような物語もよいと思う。2020/03/09