内容説明
隋から唐初にかけて活躍し、中国仏教における中観・空思想を一つの究極に導いたとされる吉蔵。現存するかれの著作の精査を通して、その思想の枠組から展開の過程、到達点までを浮き彫りにし、さらに、先行する古訳以来の仏教理解、類似する中国固有思想、同時代の仏教者の見解との比較・考察により、かれの思想の源流と、その普遍性・独自性を多角的に探究した、稀にみる知的冒険の書。
目次
序章 本研究の目的
第1章 吉蔵の伝記と著作
第2章 吉蔵思想の枠組―『大乗玄論』の検討を通して
第3章 吉蔵思想の展開
第4章 吉蔵思想の基底
第5章 吉蔵思想の位置
終章 吉蔵における「空」
著者等紹介
高野淳一[タカノジュンイチ]
1960年、新潟県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程(中国学)満期退学。博士(文学)。東北大学文学部助手、同非常勤講師などを経て、岩手県立大学盛岡短期大学部准教授。専門は中国哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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