目次
1 一九九三~一九九六(梅がもと;三稜玻璃;水中光 ほか)
2 一九九七~二〇〇一(軽履;青梅;片頬 ほか)
3 二〇〇二~二〇〇五(ジョゼ;斎庭;スリー・フィンガー・アルペジオ ほか)
著者等紹介
大辻隆弘[オオツジタカヒロ]
昭和35年(1960)8月24日松阪市稲木町に生まれる。昭和54年(1979)4月、龍谷大学文学部哲学科に入学。昭和60年(1985)3月、大学院を修了。平成元年(1989)9月、第一歌集『水廊』を砂子屋書房から出版。平成2年(1990)1月、八十九年度未来年間賞を受賞。3月、三重県文学新人賞を受賞。平成4年(1992)1月、九十一年度未来エッセイ賞を「定型という名の装置」によって受賞。平成9年(1997)3月、三重県文化奨励賞(文学)受賞。平成10年(1998)12月、『抱擁韻』より第二十四回現代歌人集会賞を受賞。平成15年(2003)3月、三銀ふるさと文化賞受賞。5月、『デプス』により第八回寺山修司短歌賞を受賞。平成19年(2007)夏、第五歌集『夏空彦』を砂子屋書房から、評伝『岡井隆と初期未来』を六花書林から出版。中部日本歌人会副委員長となる。この間、数々の賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
22
みどり子をはさんで眠る暁(あけ)の部屋水中光にただよふごとし P15 水のうへをみづは滑らふごとくゆきひかり裸々たるみなづきに入る p16 襟首にしみこんでくる詩の冷(さむ)さあまだむるるむ雨が飲みたい P16 シャツの裾しぼって結ぶしぐささへ雨につらなる追想として P17 水のなかのおぼめく影を見たる眸(め)に紫陽花いろの目薬をさす P19 女生徒はいま紺色の莢(さや)としてプールの縁にしづくしてゐるp192017/04/28
はち
8
古本で申し訳ない。歌集に収録しなかった歌から愛着のあるものを選びなおした歌集。それこそ作者の日常に寄り添うような作品が多く、結構好み。教師の仕事を詠み、成長する子どもを詠む。ときどきニューウェーブっぽい歌もある。東京を敵地と言ってみたり(分かる)吉川さんを憎んでみたり(まだ分からない)やはり屈折の強い方なのかもしれない。肩の力を抜いて読める歌集。2015/08/18