内容説明
斎藤茂吉はその短歌という形式において自らの存在のすべてを語った。茂吉の文献を、その短歌作品や散文、歌論などと共に、「いとま」あるかぎり読んできた著者が、それをもとに茂吉の短歌作品における詩的原質に想いをはせる。
目次
『赤光』の世界
茂吉における「写生」―『あらたま』を中心に比較詩論への試み
ヨーロッパにおける茂吉
戦時の茂吉をめぐるノート
『小園』から『白き山』へ―沈黙の表現について
著者等紹介
小松原千里[コマツバラチサト]
昭和8年(1933)兵庫県西宮市に生まれる。昭和34年大阪大学大学院博士課程(ドイツ文学専攻)中途退学。現在、神戸大学国際文化学部名誉教授、ドイツ語非常勤講師。研究領域はドイツ文学、特に詩、及び比較詩論。業績としてはドイツ文学、日本近代文学に関する論文、著書等。他にゲーテ、リルケについて、論文、作品の翻訳。歌集『野薊』(1987)、『木瓜』(1992)、『無言歌』(1998)
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