短歌憧憬―評論とエッセイ

短歌憧憬―評論とエッセイ

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  • サイズ B6判/ページ数 407p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784803910155
  • NDC分類 911.104
  • Cコード C0092

内容説明

「もの書けばつたなきわれのかなしかれ」の思いは私の中で、年々軽くなるどころか、重くなるのを実感してきた。その思いの数だけ、「このかなしみを生きかひとせむ」の思いをもまた重ねてきたと言える。本書には、大小五十一篇の文章を選び、五章に分けて収めたが、いずれもその折々に右のような思いを噛みしめながら書いたものばかりである。1990年代(及び2000年)の文章が33篇、80年代のものが16篇、それ以前のもの2篇。1は窪田空穂に関するもの、2は窪田章一郎論、3は歌人論、4は現代短歌への発言、5は随想の類。このように五章に分けたが、その大凡は窪田空穂の短歌世界に関わっている。私の短歌関係の文章はいかなる場合でも実作者としての問題意識から離れることはなかったつもりだが、そこにはつねに空穂先生が存在していた。空穂先生の世界は私の歌の原郷であり、私の文章は、その時々の原郷確認のそれにほかならなかった。いわゆる歌壇を意識して書いたものは一篇もない。狭く且つ足らわぬを恥じるばかりだが、ありのままの私の姿として見ていただくよりない。

目次

窪田空穂の定型観
空穂短歌の基本
情緒の写生―窪田空穂
窪田空穂―その作歌推敲過程を探る
窪田空穂―境涯詠の到達境
実存への郷愁―空穂における「怪し」の用法について
空穂長歌の考察―その挽歌を中心に
窪田空穂「春の歌」より
初一歩の信念―空穂と敗戦
いのちの頂点―窪田空穂の一首〔ほか〕

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