内容説明
あまりに哀しく、あまりに美しい…こんな川端康成の姿を私たちは知らなかった。没後半世紀を経ていまなお読み継がれる川端文学の魅力を二人の作家が語り明かす。
目次
対話1 川端文学を貫いているもの(川端康成と伊藤初代;川端文学との出会い;「手書き」独特のアナグラム;川端文学のグロテスクさ;「佛界易人 魔界難入」;「死」に魅せられて)
対話2 『掌の小説』を読む(川端康成の「私」;確かな“モノ”の手応え;「長編型」と「短篇型」;「負のエネルギー」が作り出すブラックホール;『十六歳の日記』について;グロテスクと新しいリアリズム)
対話3 世界はまだ本当の川端康成を知らない(『雪国抄』が語りかけてくるもの;川端康成は「小説」を書いていなかった!?;『山の音』について。あるいは「純文学」とは何か;川端埼品のベストは何?)
附(見えないものを見る―「たんぽぽ」;遵守された戒律;引き返せない迷路;川端再読)
著者等紹介
小川洋子[オガワヨウコ]
1962年、岡山市生まれ。早稲田大学文学部第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年、菊池寛賞を受賞
佐伯一麦[サエキカズミ]
1959年、宮城県仙台市生まれ。仙台第一高校卒。84年「木を接ぐ」で第3回海燕新人文学賞を受賞する。90年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、97年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年『ノルゲ Norge』で野間文芸賞、14年『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整賞、20年『山海記』で芸術選奨文部科学大臣賞を、それぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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