内容説明
今日、娘の静香がひとりの青年を家に連れてくる。大切な話があるというのだ。竜一は妻や静香が止めるのも聞かず、「お好み焼き」の準備をはじめる。娘を送り出す父の不器用さが愛おしい「お好み焼きのプライド」。父を亡くしてから、母に認知症の症状が表れはじめた。昔の話を何度も繰り返すようになったのだ。しかし、なつみは母を心配しながらも家事と育児で疲れ果てていた。ある日、なつみは母の部屋で古いアルバムを見つける。そこには…。母の想いが切ない「忘れてもいいよ」。会社から自宅待機を命ぜられた正彦は、自分が受けた処分を妻には話したが、母には言わないでくれと頼みこんだ。自分の就職をあんなに喜んでくれた母をがっかりさせたくなかったからだ。やがて母は思いがけない行動に出る。息子を守り抜くと決めた母親の深い想いが伝わる「母の言霊」ほか。親子の愛を描いた10篇の短篇小説集。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
52
ラジオ文芸館で「母の言霊」を聴いてとても感動したので原作を図書館で借りました。「お好み焼きのプライド」「女王のいた家」「忘れてもいいよ」「赤い風船」「スフレケーキ」「不思議なちから」「フライドポテト」「ママの恋」「平均点と最高点」の10作品。どの作品も親子の関係が描かれいてしかも身近に有り得る事が取り上げてあり良かったです。親の気持ち、子どもの気持ち、どちらも良く分かるし、分かるからこそもどかしく、切なく、心に響きました。2017/11/04
あっか
25
こちらで知って気になり、すぐ購入しました。タイトルのように出産中心の話という訳ではなく、色々な形の親子の物語、短編集です。スフレケーキは泣けました…状況や環境によって、感動ポイントが違うだろうからそれぞれ楽しめると思います。表紙の赤ちゃん、見ているだけで癒されます…」2017/11/13
亜希
16
表紙の写真と題名から、これは泣けそうと思いブックオフで購入。1編目の「お好み焼きのプライド」からとても感動して、これは残り9編も期待できるかも…と思いましたが、結局一番感動したのは最初のお好み焼きでした。テーマがテーマだけにどの話も感動はしたけれど、もう少し捻りや深みが欲しかったです。2015/07/25
もーちゃん
12
手に取った時から、号泣する準備はできていた。どこかで見た本の帯のような言葉だけど。だって家族愛・表紙の赤ちゃん、見るからに泣けそうでしょ。スフレケーキが特に泣けました。99のなみだとかシリーズがあるようなので追っていきたい。2013/07/02
舞
9
すごく良かったです! 泣けました。。。 特にスフレケーキが良かったです。 親を大事にしようと改めて思いました。 日常を大事に過ごすことを忘れたくないです。 また読みたい本です。 心が癒され、洗われていく感じがしました。 2017/06/30