内容説明
最愛の夫である渉(わたる)の突然の死から5年、菜緒は喪失感から心を空っぽにしたままただ息子・歩夢(あゆむ)とふたりで生きていくため誰にも頼らずに必死に働いていた。そんなある日、歩夢宛に一通の手紙が届く。それはお気に入りの絵本の登場人物からの、冒険への誘いだった。勢いよく街に飛び出した幼い歩夢に導かれるように菜緒は大切な人たちとの再会を重ねていく―若き父親が愛する妻とまだ見ぬ息子に宛てた心温まる天国からのメッセージがそこにはあった。
著者等紹介
村上桃子[ムラカミモモコ]
小説家・脚本家。2007年『恋するマドリ もうひとつの物語たち』で小説デビュー。ドラマ『恋する日本語』、『マッスルガール』をはじめ、ドラマ、映画、舞台、アニメなど、幅広く脚本を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫伊
9
読友さんに頂き、久しぶりに読んだ恋愛小説。とても素敵なお話でした。妻に何も言わずに亡くなった裏側には思いやり溢れていて、とても想っていたのだなと思いました。それだけ想っていたからこその、5年越しのサプライズはとても素敵でした。周囲の人たちもとてもやさしく、彼女には息子と笑顔で生きてほしいという願いが詰まっていると感じました。温かい気持ちになれる一冊です。2015/03/19
麦
7
5年前、何の前触れもなく帰らぬ人となった渉。菜緒は放心状態になりつつも、何とか奮い立たせ、歩夢を育て続けた。それから5年、渉から突然手紙が届く。菜緒と歩夢、そして渉の冒険物語。 この作品はそれこそ5年前に読みましたがずっと心に残っていての再読。改めて良い作品だ。渉が菜緒に内緒にしていたことは賛否あるけども歩夢達のことを思っての行動だと分かってからはそれが最善だったのかと思うようになりましたね。差し伸べられた手を拒み続けた菜緒が、徐々に心を開き始める過程に感動してしまう。2025/03/31
かす漬け
5
久々に本で泣いた。ノンフィクションのあとに読んだのは間違いだったけど(−_−;)こんな人たちに囲まれて幸せな一生だっただろうな。お気に入りの一冊になった。2012/10/05
チェス
4
分かってはいたけど、涙、涙。映像化にも良いかもー、2021/06/19
かず
4
久々に泣きました・・渉どんなにつらかっただろう 自分の事しか考えていない人が多い?今の世の中 とっても切ない気持ちになりました 菜緒もどんなにつらかっただろう(>_<)でも もう一度会えて良かったね! 2017/11/04