出版社内容情報
本書は、思想家/文明批評家のイヴァン・イリイチが提唱した概念「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」を足がかりに、これからの人間とテクノロジーのあり方を探る一冊です。
テクノロジーが飛躍的に発展し、豊かさを手に入れた私たちは、道具を使いこなしているようでいて、実は道具に使われてしまってはいないでしょうか。また、「人新世」とも呼ばれる気候変動危機の時代にあるいま、行き過ぎたテクノロジーはいかにして再び「ちょうどいい道具」になれるのでしょうか。そのカギは、イリイチが示した適度なバランスを保つための「二つの分水嶺」という考え方にあります。
人間にとってテクノロジーとはどのようなものなのか。これからのテクノロジーはどうあるべきなのか。テクノロジー自体が自律性を持ち始めたAI時代に、人間と人間、人間と自然、そして人間とテクノロジーが共に生きるための「コンヴィヴィアル・テクノロジー」とは何なのか ── デザイン・イノベーション・ファームTakramで数々の先駆的なプロジェクトを率いてきた気鋭のデザインエンジニア・緒方壽人氏が、先人たちのさまざまな言説を辿り、思考を巡らせながら紐解きます。
実世界のあらゆるモノ同士がつながるIoTの未来を研究する「万有情報網プロジェクト」の各研究領域リーダーたちとの対話も収録した本書は、ものづくりに携わる人たちはもちろん、もはやテクノロジーと切り離せない生活を送るあらゆる人にとって確かな指針となるでしょう。
内容説明
行き過ぎた現代のテクノロジーは、いかにして再び「ちょうどいい道具」になれるのか?気鋭のデザインエンジニア・緒方壽人(Takram)が、イヴァン・イリイチが説いた「コンヴィヴィアリティ」を足がかりに現代に求められるテクノロジーのあり方を探求する。
目次
コンヴィヴィアル?
プロローグ
第1章 人間とテクノロジー
第2章 人間と情報とモノ
第3章 人間とデザイン
第4章 人間と自然
第5章 人間と人間
第6章 コンヴィヴィアル・テクノロジーへ
第7章 万有情報網
著者等紹介
緒方壽人[オガタヒサト]
ソフトウェア、ハードウェアを問わず、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスまで幅広く領域横断的な活動を行うデザインエンジニア。東京大学工学部卒業後、国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)、LEADING EDGE DESIGNを経て、ディレクターとしてTakramに参加。2004年グッドデザイン賞、2005年ドイツiFデザイン賞、2021年文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品など受賞多数。2015年よりグッドデザイン賞審査員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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