バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。

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  • サイズ A5判/ページ数 411p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784802510196
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C0070

出版社内容情報

バイオアート。それは、生命科学やテクノロジーの進化が招く哲学的、倫理的な問題を可視化し、その是非を広く議論するための表現物です。

地球は今、新たな地質年代「人新世」に突入したと言われています。それは、10万年単位の地質年代として区分できるほどに、人間活動が地球環境に大きな影響を及ぼしているということの表れです。環境破壊、絶滅生物、異常気象、人口急増……私たちは今、数々の大きな問題に直面しています。

人間とはいったい何者なのか? テクノロジーは神なのか? そもそも文明と自然と呼ばれるものの境界はどこにあるのか?――バイオアートは、微生物、蛍光発光、遺伝子情報、コンピュータによるコーディング、画像装置などを利用して、こうした「人新世」の我々が持つアイデンティティ、自然、環境に対する倫理観をシフトさせようと挑みます。

本書は、バイオアーティスト50名の活動を紐解きます。生物自体をメディアとした表現、人間の身体に宿る無数の微生物群「マイクロバイオーム」に注目した作品、未来の可能性を思索する「スペキュラティヴ・デザイン」など、さまざまな作品手法とともに、バイオアートの役割、そしてバイオテクノロジーによってもらたされる未来について考えていきます。


久保田晃弘[クボタアキヒロ]

ウィリアム・マイヤー[]

岩井木綿子[]

上原昌子[]

目次

1 自然の自然な改変
2 生命の再定義
3 尺度と領土の可視化
4 自己認識とメディアの実験

著者等紹介

マイヤーズ,ウィリアム[マイヤーズ,ウィリアム] [Myers,William]
アムステルダムを拠点に活動するライター、キュレーター、教育者。現在、デザイン・アカデミー・アイントホーフェン(DAE)で修士課程の学生を指導しており、オランダのバイオアート・アンド・デザイン・アウォードの審査委員長を務めている。これまでに、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、スミソニアン博物館群に属するクーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、ニューヨーク市立大学ハンター校、そして、ジェンスペース“Genspace”(米国初のコミュニティ生物工学研究室)などで仕事をしている

久保田晃弘[クボタアキヒロ]
1960年大阪生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授。東京大学大学院工学系研究科船舶工学専攻博士課程修了、工学博士。数値流体力学、人工物工学(設計科学)に関する研究を経て、1998年から現職。世界初の芸術衛星と深宇宙彫刻の打ち上げに成功した衛星芸術プロジェクト(ARTSAT.JP)をはじめ、バイオアート(BIOART.JP)、デジタルファブリケーション、自作楽器によるサウンドパフォーマンスなど、さまざまな領域を横断・結合するハイブリッドな創作の世界を開拓中

長谷川愛[ハセガワアイ]
岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(通称IAMAS)にてメディアアートとアニメーションを勉強した後ロンドンへ。数年間Haque Design+Researchで公共スペースでのインタラクティブアート等の研究開発に関わる。2012年英国Royal College of Art,Design Interactionsにて修士取得。2014年から現在MIT Media Lab,Design Fiction Groupにて研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほし

5
「人新世」とは元々は地質学の用語で、現代では人類が環境に及ぼす影響が大規模で破壊的なものであることを表す言葉なのですが、今ではアートにおいてもその概念が応用され、様々な作品が生まれています。中でも生命科学をベースとするバイオアートでは、テクノロジーの発展がもたらす倫理観の揺さぶりが可視化されたかのような作品が作られています。 本書では近年のバイオアートを取り巻く状況、そして作品が多数纏められており、ぼくにとってこれまでなんとなくでしか分かっていなかったバイオアートをしっかりと知ることができました。2019/03/22

やす

3
最先端のテクノロジーを使って表現し、テクノロジーへの疑問を呈するバイオアート。現代アートの一種だと思った。2024/01/03

えぬ

3
もうなんだかわからないものまである。すごい、きもい、2017/03/08

しまりんご

2
これだけ色々なバイオアートを集めて紹介していく書籍は日本語でこれだけだと思うので、貴重な本。アートの領域とは?という疑問を常に念頭に置きつつも、魅力溢れるこの分野についてもう少し勉強してみたい、と思わせてくれる本でした。2017/09/02

KakeruA

2
バイオアートとは何かを様々なアーティストと作品の紹介を通して行う本書は、著者による解説+インタビューで構成される。試験管の中で菌を培養するようなウェットラボのイメージがついていたが、本書では工学的なアプローチを取るドライラボで制作をする作家も多く紹介されており、広く浅くバイオアートの風景を一望できる一冊となっている。長谷川愛氏のインタビューなどでも触れられているスペキュラティブデザインと合わせて読みたい一冊。2016/06/08

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