出版社内容情報
平和を願う世界中の人に知ってほしい。
戦争裁判で斃れた人々の遺言集Vol.2
「英霊を二度死なせてはいけないのです。
ご遺書を読んだ時、私は目に見えない数多くの英霊によって
生かされているんだと深く感じました。」我那覇 真子
戦争犯罪人と云うレッテルを押され、多くの人々が地上から消えた。しかし、その人たちの声だけは消えずに残されている。
それは絶叫ではなくして静かで小さな声だ。
日本人は一人のこらずこの人たちの声に耳かたむけ、戦争と敗北の運命をことごとく自己の問題として、あらためて考えなおさなくてはならない。
民族の犠牲というかなしい結末が、新しい生命の息吹きとなって、私たち日本人の盲目となった眼をひらかしめることを私は疑わない。
―火野葦平
彼らの遺稿は、自己の死よりも肉親を思い、国家世界を憂えて、平和再建への切々たる祈りを遺していた―。
“戦犯”裁判により処刑、獄中死された方々の遺書遺稿集。1953年刊『世紀の遺書』701篇のうち95篇を新字体、現代仮名遣いにして復刊
中日提携の実が果して何時の日に実現するか、武器を失った大和民族は至誠以外に生き得る途はあるまい。―田中政雄
国家の為、人の為の犠牲的なものにあらしめたいのは死刑の判決を受けた人々がきっと考え、思う所と信じるものであります。
私の死に方はだらしのない死に方ですが気持だけは切腹と同様のつもりです。―牧野周次郎
人類の歴史は人類が滅亡するか、又神にならざる限り依然闘争の歴史を繰返すべく又常に正義は力なり(正義は力によってのみ裏づけられる)の悪い法則の下にのみ支配せらるるであろう。人を裁くものは神にあらず。また人なり。我に過ちあり、彼に過ちあり。―堀 重吉
祖国日本! その思いは絶えず去来しありて脳裏をはなれず、禁絶の筆を秘かに借りて認め残す。絞首刑室は隣りにあり。
三十一年の生活を思えば涙をもよおすも凡ては信仰に捧げん。祖国よ栄えあれ。―岩崎吉穂
警戒の印度人、中国人十名位交代で面会に来る。私の死を悼み涙ぐむ者多し。私は心で感謝す。死も亦惜しむに足らず。
印度人、中国人は私に両手を合せて拝んで居ます。大東亜の下地は出来て居ると感じました。―金沢朝雄
吾等憲兵は強盗強姦を行ったものではない。吾等は治安維持の為不眠不休一意専心御奉公に邁進した事態が裁判に掛けられたのである。
之を要するに「裁判即ち戦場」である。―橘 政雄
【目次】
内容説明
彼らの遺稿は、自己の死よりも肉親を思い国家世界を憂えて平和再建への切々たる祈りを遺していた―。便箋や旧軍用罫紙に書かれたものの外、包装紙、トイレットペーパー、莨の巻紙、書物の余白、又余白を截って貼り継いだもの等があり、紙以外にも、敷布の断片、シャツ、ハンカチーフ、板等も含んでいる。その大部分は鉛筆書きであるが、ペン書、墨書、血書等もあって、中には汚にしみ、ボロボロになったものもある。これらを見るとき故人が如何に苦心し、心血を注いで遺志を伝えんとしたかが明かにうかがわれる。
目次
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